中村匠吾が苦しい時期を乗り越え、オリンピアンの意地見せる優勝 女子はカムルが初マラソンV/北海道マラソン

AI要約

中村匠吾が北海道マラソン2024で2時間15分36秒のタイムで初優勝

中村は序盤を我慢し後半で強さを発揮し、他のランナーを振り落としてリードを保った

中村は2年ぶりの優勝で再起を果たし、オリンピアンの意地を見せた。平林清澄も参加し70位に終わる

中村匠吾が苦しい時期を乗り越え、オリンピアンの意地見せる優勝 女子はカムルが初マラソンV/北海道マラソン

◇北海道マラソン2024(8月25日/大通公園)

ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ(JMCシリーズ)のシリーズⅣG2の北海道マラソン2024が北海道・札幌市の大通公園をスタート、フィニッシュとする42.195kmで行われ、男子は中村匠吾(富士通)が2時間15分36秒で初優勝した。

スタート時で気温23.1度、男子フィニッシュ時で26.5度まで上がったレース。中村は終盤に強さを見せた。序盤はボストンマラソン8位の森井勇磨(京都陸協)が先行する展開となったが、22km手前で中村を含む先頭集団が追いつくと、その後は牽制する展開となった。

その中で中村は時折前に出るなどして、他のランナーを揺さぶる。35kmまでの5kmを15分56秒で駆け抜けると、37kmから競り合っていた4人を振り落として単独トップに。40kmまでを15分49秒と、上位選手でただ1人15分台で突っ走り、残り2.195kmも6分44秒でカバーして後続を引き離した。

高校、大学時代と駅伝などで活躍し、初マラソンは2018年3月のびわ湖毎日。2度目のマラソンとなった同年9月のベルリンで2時間8分18秒の自己ベストをマークした。翌年9月の東京五輪代表選考レース、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で服部勇馬(トヨタ自動車)や大迫傑(Nike)を抑えて優勝。東京五輪代表に選出された。

しかし、故障の影響で2年後の五輪本番では62位。その後も調子は上がらず、昨年10月となったパリ五輪代表選考のMGCの出場権を得られなかった。最後のチャンスをかけて、今年2月のパリ五輪代表のファイナルチャレンジとなった大阪マラソンに出場したものの、途中棄権。2大会連続の五輪出場は夢と消えた。

それでも、中村は挑戦を続ける。再起を期した9回目のマラソンで、2019年MGC以来となるマラソン優勝を遂げた。夏マラソン特有の気象条件でタイムは低調だったが、オリンピアンの意地を見せる力走。来月16日に32歳を迎えるが、次に向けて大きな一歩を踏み出した。

このレースには、今年の大阪マラソンを2時間6分18秒(日本歴代7位、初マラソン日本最高、学生新記録)で優勝した平林清澄(国学院大)も出場。練習の一環に加え、来秋の東京世界選手権代表入りを見据えてJMCシリーズチャンピオン資格(シリーズⅣでマラソン3回完走が条件)を得ることが目的だったようで、2時間41分19秒で70位だった。

女子は、ケニア出身のパウリン・カムル(ルートインホテルズ)が2時間31分04秒で初マラソンを優勝で飾った。2位は初マラソンの立迫志穂(天満屋)。30km手前までカムルに食らいつき、2時間33分47秒で入った。