ロッテ・種市篤暉が語る勝利するために必要なこととは?

AI要約

ロッテの種市篤暉投手がポストシーズンに向けての重要性を語る

種市投手がフォークボールの精度について振り返る

種市投手がスライダーに手応えを感じる

ロッテ・種市篤暉が語る勝利するために必要なこととは?

◆ フォークの精度は?

 「もちろん(シーズンの)序盤、中盤も大事ですけど、僕の中ではここからが一番大事な登板になってくると思いますし、ここからがポストシーズンに向けて上げていかなければいけない期間。いつも同様長いイニングを投げて、ゼロで抑えていけるようにやれたらなと思います」。

 13時から行われるオリックス戦に先発するロッテの種市篤暉は、いつもと変わらず1イニングでも長く投げるつもりだ。

 前回登板の8月18日のソフトバンク戦は、0-0の5回に先頭の甲斐拓也をフォークで簡単に追い込むと、3球目のインコースのフォークで遊ゴロに打ち取ったが、続く牧原大成に投じた初球のフォークをライトテラス席に放り込まれた。

 ソフトバンク戦でのフォークについて種市は「1週間練習してきたことは序盤できていたんですけど、体が疲れてきたらどうしても力で投げていこうとしちゃうぶん、落ち幅がちょっと少なくなっていたと思います」と振り返り、「牧原さんのホームランもそうですし、そこら辺はすごい勉強になった登板かなと思います。よくない時に修正できるように試合中にもっと敏感になっていけたら良かったかなと思います」と反省。

 特に甲斐を武器にしたいと話すインコースのフォークで、良い形で打ち取ったように見えただけに牧原の初球はもったいない印象を受けた。

 ただ種市本人の見解は違った。「甲斐さんに投げた3球も感触は良くなかった。自分の中ではすぐに気がつけて球種の選択ができていたら、もっと違う結果になっていたかなと思いますし、球種というよりは投げるコースが悪かったかなと思います」。

 0-0で投げていると流れを渡したくない、投げていてプレッシャーが大きくなったりするのだろうかーー。

 「失点はやりたくないと考えていないというか、それを考えちゃうと丁寧になりすぎて僕の場合は四球になるリスクが高くなってくる。そこまで意識せず、いつも通り、変化球は低く、まっすぐはコースに投げる意識はしています。流れは持っていきたいピッチングをしたいなというのは意識しています。3人でできるだけきれるようにですね、はい」。

◆ 鬼門の6回

 0-1の6回表は長い攻撃で満塁のチャンスで無得点だったものの、その裏今季イニング別では最も多い6回(14失点)、3番・栗原陵矢から始まる打順を三者凡退に仕留めたのは見事だった。

 「僕の中で6回が鬼門だと思っていましたし、すごいクリーンナップの中で一番点を与えたらダメだなと思って、そこまで丁寧にはなっていないですけど、集中して投げられたかなと思います」。

 その6回には二死走者なしから近藤健介の初球にカーブを投げた。「僕の中ではボール球で投げるつもりでしたし、ボールゾーンの球だったんですけど、多分頭になかったので、ファウルになってくれたかなと思います」と振り返った。

◆ スライダーに手応え

 スライダーは、「基本的に前回の登板は速めでした」と0-0の4回一死走者なしで正木智也に3ボール2ストライクから7球目に139キロ低めに落ちる高速縦に落ちるスライダーで空振り三振と、6月22日にみずほPayPayドームで先発した時と同じように高速縦スライダーが多かった。

 みずほPayPayドームでは、縦に落ちるスライダーはスピードを出しやすいのだろうかーー。

 「そうですね、マウンドの傾斜もあっているのもあるかなと思いますけど、単純にそこまで調子も悪くはなかったので、腕が振れていたかなと思います」。

 その中でも種市が前回登板のソフトバンク戦で納得したスライダーは「周東さんを空振り三振に仕留めたスライダーが個人的には、スピードが出ていなかったですけど、軌道を含めて僕の中では一番良かったかなと思います」と、0-2の7回一死一、二塁で周東佑京を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた135キロの縦に落ちるスライダーは納得の1球となった。

 現在種市は7勝6敗。この先リーグ優勝、クライマックスシリーズ進出に向けて負けられない戦いが続く。白星を挙げるため、チームを勝ちに導くために必要なことについて種市は「点を取る、取らないに関しては僕がコントロールできることではないので、そこに本当にイライラしたりしないように試合中は気をつけていますけど、その中で自分ができることは流れを作ることだと思っています。できるだけ四球を出さずに3人で終えられるようにしていきたいと思っています」と語った。種市は圧倒的な投球で、チームに勢いをもたらしてほしい。

取材・文=岩下雄太