京都国際・中崎琉生「100年という歴史の中に京都国際を刻めたことが一番うれしい」京都勢68年ぶり夏頂点

AI要約

第106回全国高校野球選手権大会決勝で京都国際が関東第一を延長十回タイブレークの末に2-1で破り初優勝を果たした。

エースの中崎と2番手の西村の活躍で注目され、中崎は9回無失点、西村は1失点の好投でチームを勝利に導いた。

京都府勢としては68年ぶりの夏の頂点への輝かしい復活劇が、100年の歴史を持つ甲子園で繰り広げられた。

京都国際・中崎琉生「100年という歴史の中に京都国際を刻めたことが一番うれしい」京都勢68年ぶり夏頂点

第106回全国高校野球選手権大会決勝(23日、関東第1-2京都国際=延長十回タイブレーク、甲子園)開場100年を迎えた甲子園に3万6000人を集めて決勝が行われ、京都国際が関東第一(東東京)に延長十回タイブレークの末、2-1で勝ち、春夏通じて初優勝を飾った。先発の中崎琉生投手(3年)が9回無失点、2番手の西村一毅投手(2年)が延長十回を1失点に抑えた。京都府勢としては1956年の平安(現龍谷大平安)以来、68年ぶりに夏の頂点に立った。

100周年の甲子園のマウンドに、京都国際ナインが歓喜の輪をつくる。創部25年目でつかんだ初優勝。エースの中崎の目には光るものがあった。

「100点。自分の野球人生の中で、一番の試合だった」

大一番のマウンドを任された背番号1は、左腕のダブルエースを担う2年生、西村への感謝を胸に腕を振った。準決勝は精彩を欠き、4回2失点で降板するも、西村の5回無失点の好投もあり逆転勝利。「『ありがとう。決勝は俺がいくから』と伝えて、言葉どおりの投球ができた」。この日は三回まで完全投球。コースを広く使い5三振を奪うなど9回4安打に抑えて、関東第一打線を寄せ付けなかった。

0-0のまま決勝では春夏通じて初めて延長タイブレークに突入。押し出し四球と犠飛で2点を先制し、その裏は背番号11の西村がしのいだ。1点差に詰め寄られ、なおも2死満塁。一打逆転サヨナラの場面で、カウント1-2から決め球にはスライダーを選んだ。

「打者の手元で曲がって、左打者は打ちづらい」と自信を持つ球は、今春の選抜後に中崎から教わった。3番・坂本のバットは空を切り、「頭が真っ白になって何も考えられなかった」と西村。球場全体から歓声を浴び、両手を天に突き上げた。

力投が報われ、中崎も「西村が後ろにいたからこそ、1イニングごとに、全力で投げることができた。2人で日本一を取れたことがうれしい」と感慨にひたった。京都国際は1999年の創部時のメンバーに野球経験者はたった1人。それから25年で全国3441チームの頂点に立った。決勝での負けが続いていた京都勢としては、実に68年ぶりの夏制覇だ。

「100年という歴史の中に京都国際という名前を刻めたことが一番うれしい」