井上尚弥に挑戦する元IBF王者ドヘニー来日 戦前予想劣勢も「不利予想を覆してここまで来た」

AI要約

プロボクサーTJ・ドヘニーが来日し、井上尚弥に挑戦することを強気に宣言。

ドヘニーは日本人選手を倒す「日本人キラー」として知られ、4団体統一王座戦に強い意欲を見せる。

最終調整のために米ボストンでトレーニングを重ね、井上の強さを認めつつも楽しみにしている様子。

井上尚弥に挑戦する元IBF王者ドヘニー来日 戦前予想劣勢も「不利予想を覆してここまで来た」

 プロボクシング元IBF世界スーパーバンタム級王者でWBO世界同級2位のTJ・ドヘニー(37=アイルランド)が23日、来日した。9月3日、東京・有明アリーナで4団体統一同級王者井上尚弥(31=大橋)に挑む。最終合宿先となる米ボストンから日本に到着・ドヘニーは「(戦前予想が)劣勢なのはもちろん分かっている。自分は4団体統一王座戦なので、やる気満々だ。過去にも不利予想は何度もあった。それを覆してここまで来たんだ」と強気に言い放った。

 18年に当時のIBF同級王者岩佐亮佑を下して世界王座を獲得。19年に高橋竜平、23年には井上と同門の中嶋一輝も倒した「日本人キラー」と言える。これで4戦連続となるが「今回の来日は夢がかなう。ボクサーであれば、誰もが4団体統一を目指すもの。それを目指して来日できているのは何よりも喜び」と気合の入った表情を浮かべた。

 井上挑戦に備え、居住地のオーストラリアを離れ、米マサチューセッツ州ボストンで最終調整してきた。16年の岩佐戦以来となる同地でのトレーニングで“原点回帰”。「9年ぐらいの付き合い。セコンドとしても彼しか信用していない」と全幅の信頼を置くヘクター・バミューデス・トレーナーにもと、家族と離れて約2カ月半(10週間)の最終調整をしてきた。

 ドヘニーは「ストレス、邪魔が入らないように睡眠、ボクシングの練習に集中できる環境にしたんだ。スパーリングは何ラウンドやったか分からないが、たくさんやってきた。スピード、テクニックなど1つに絞らずに対策を練ってきた」と自信の表情を浮かべた。

 井上の試合を初めて視察したのは19年5月、英グラスゴーで行われたワールド・ボクシング・スーパーシリーズのバンタム級準決勝でエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と対戦した時だったという。ドヘニーは「あの時、井上を初めて見た。彼が素晴らしい選手で、目を付けフォローしてきた。彼はすべてにおいて素晴らしいボクサー。タフな試合になる」と口にした。

 井上への挑戦まで約2週間。ドヘニーは「試合は楽しみでしかない、4団体統一戦だぜ」と高いモチベーションを口にした。19年4月以来、約5年5カ月ぶりの世界王座返り咲きを4団体統一王者として迎える構えだった。【藤中栄二】