井上尚弥、圧倒的有利予想も引き締め「気を抜かないために、一番練習したなと自負」

AI要約

ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥が、次なる防衛戦に向けて「爬虫類系モンスター」モードで備える姿を公開練習で披露した。

次戦はWBO世界同級2位のTJ・ドヘニーとの戦いで、井上は過去最高の練習量でKO勝利を目指す意気込みを見せている。

井上は「爬虫類系モンスター」として相手を仕留めるために、徹底したトレーニングと集中力を持って臨んでいる。

井上尚弥、圧倒的有利予想も引き締め「気を抜かないために、一番練習したなと自負」

 ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が「爬虫(はちゅう)類系モンスター」モードで6戦連続の世界王者経験者との防衛戦に備えた。

 9月3日、東京・有明アリーナでWBO世界同級2位で元IBF世界同級王者のTJ・ドヘニー(37=アイルランド)との防衛戦を控え、21日に横浜市の所属ジムで練習公開。試合用Tシャツに爬虫類のウロコをデザインし、過去最高の練習量で鍛えた心身でドヘニーをKO撃破する構えをみせた。

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 公開練習で井上が着た試合用Tシャツの「N」マークは、ワニやヘビを連想させるウロコのデザインだった。5月の元2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)戦は、相手の愛称がパンテラ(黒豹)だったことにちなみ、白虎模様で彩っていた井上は「前回がホワイトタイガー。特に意味はないが、ちょっとアニマル系で攻めようかなと。爬虫類のイメージ」と解説した。

 アイルランド出身のドヘニーだが、現在はオーストラリア在住。同国では全長2~3メートルある巨大ワニ=クロコダイルで有名だ。左強打を武器に好戦的に迫るドヘニーのスタイルはどう猛なクロコダイルに重なる。22年6月のノニト・ドネア(フィリピン)戦から6戦連続の世界王者経験者との世界戦を控え、井上は「判定決着は許されない。仕留めるべき瞬間に仕留められればいいと思う」と気合十分。「爬虫類系モンスター」としてドヘニーを仕留めるキバを研いでいる。

 海外のブックメーカー(賭け屋)となる英大手ウィリアムヒルのオッズは、井上勝利に1・02倍、ドヘニー勝利に15倍と、井上の圧倒的有利に動く。井上は「周りの雰囲気は自分が1番、感じる。自分にそういう気持ちはなくても緩みは必ず出てきてしまう。過去の経験からも振り返ると、そういう瞬間もあった。言動だったり練習の内容でより心がけている」と気を引き締めた。

 来週打ち上げ予定のドヘニー戦に向けた総スパーリング数は計100回に到達予定。「フィジカルも増やし(スパーリングの)ラウンド数も多くなった。自分の中で気を抜かないために、一番練習したなと自負するぐらい。ネリ戦以上(の練習量)は意識している」。井上が「楽勝ムード」を吹き飛ばす過酷なメニューで心身を追い込み、集中力を研ぎ澄ませている。【藤中栄二】