井上拓真がライバル王者中谷潤人との“共演”意識「気合が入る」まずは堤聖也戦/7大世界戦発表

AI要約

日本プロボクシング界初の7大世界戦が10月13、14日の2日間、東京・有明アリーナで開催される。13日にはWBA世界バンタム級王者の井上拓真のV3戦、14日にはWBC世界同級王者の中谷潤人のV2戦が予定され、両者の対戦機運が高まっている。

井上は中谷との一日違いの試合を意識し、兄の偉業に続く4団体統一の決意を示す。一方、中谷は堤聖也との再戦を前哨戦と位置付け、統一戦に向けての意気込みを語る。

プロモーターは2日間にわたる複数の世界タイトルマッチを開催し、国内最多の試合数を誇る。過去には1興行で8大世界戦が行われた歴史も紹介される。

 日本プロボクシング界初の7大世界戦が10月13、14日の2日間、東京・有明アリーナで開催されることが22日、都内で発表された。

 第1日の13日にWBA世界バンタム級王者の井上拓真(28=大橋)のV3戦、第2日の14日にWBC世界同級王者の中谷潤人(26=M・T)のV2戦と、ライバル王者の“競演”が決定。ともに統一戦を希望している2王者の対戦機運が一気に高まった。

    ◇   ◇   ◇

 ライバル王者との1日違いの“競演”を、井上は強く意識していた。「気合が入る。中谷選手の試合は注目している。今後は(対戦が)あるかもしれない。そこは楽しみですね」。視線はすでに3度目の防衛戦の先に向けられていた。

 アマチュア時代に勝っている堤聖也との再戦も、中谷との統一戦への“前哨戦”ととらえていた。「向こうはリベンジの気持ちでくると思うが、返り討ちにして統一戦に向けてしっかりと勝ちたい」と、自信をみなぎらせた。

 現在、世界バンタム級王座はWBAが井上、WBCが中谷、WBOが武居由樹、IBF王者が西田凌佑と日本人が独占。その4王座は拓真の兄尚弥が22年に統一したベルト。「兄が4王座を返上して、1本目のベルトを取った自分が4団体を統一する。しっかり勝って次のステージに行きたい」と、兄弟4団体統一の決意をあらためて口にした。

 堤はプロ入り後は無敗で世界挑戦をつかんだ。井上は「気持ちが強くてすごくタフな印象がある」と評価しながらも「厳しい試合にはしない。一方的に自分のやりたいようにやる」。強さを見せつけて、中谷との統一戦への機運を盛り上げるつもりだ。【首藤正徳】

 ○…堤はリベンジと世界王座の夢をダブルで目指す。アマ時代のインターハイで負けている井上への挑戦に「高校時代のリベンジの思いは12年越し。これが世界のベルトと一緒に達成できたらこれ以上はない」。プロ実績では大きく水をあけられている。「ボクシング勝負して簡単に勝てる相手ではない。僕にはそれ(打ち合い)しかない」と、打撃戦で突破口を切り開く覚悟だ。

 ◆複数世界タイトルマッチ 7大世界戦は帝拳プロモーションの興行を2日間に分けたもので、1興行での世界戦数としては国内最多となる。同会場での2日間連続世界戦興行は17年5月に東京・有明コロシアムで行われている。同20日に村田諒太、寺地拳四郎、比嘉大吾の3大世界戦、同21日に井上尚弥、八重樫東の2大世界戦の計5試合が行われたが、各日、別プロモーターの興行だった。なお世界では03年にドン・キング氏がプロモートした米アトランティックシティーでの8大世界戦が、1興行での世界戦では最多記録。