【高校野球】東北高が慶応高とエンジョイ・ベースボール…創立130周年記念招待試合…次は甲子園で!

AI要約

東北高校が慶応高校を招待して行われた親善試合で、東北高校が4-1で勝利した。

荒川陽希捕手の活躍や両校の自主性を重視した野球姿勢が試合で見られた。

慶応高校が被災地での学びを経て再戦への意気込みを高め、両校は再び全国大会で対戦することを誓った。

【高校野球】東北高が慶応高とエンジョイ・ベースボール…創立130周年記念招待試合…次は甲子園で!

◆高校野球記念招待試合 東北4-1慶応(22日・東北福祉大野球場)

 東北(宮城)が22日、創立130周年を記念して昨夏の全国高校野球選手権(甲子園)で107年ぶりに日本一となった慶応(神奈川)を招待し、親善試合を行った。東北が荒川陽希捕手(1年)の先制適時打など2打点の活躍で4―1で勝利した。

 創立130周年、野球部創部120周年を迎えた東北が昨夏全国王者・慶応を招待し、打ち勝った。自主性を大事にした「エンジョイ・ベースボール」をモットーにする両チームは約10年前から練習試合などを重ね、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。東北の佐藤洋監督(62)は「新チームがどれくらい戦えるか立ち位置が分かる試合だった。本当にありがたかった」と振り返った。

 1年生捕手・荒川が2打点と躍動した。2回無死三塁のチャンスでは狙い球のストレートを打ち返す先制打。「真っすぐ一本に絞っていて、うまくはじき返せた」。5回1死一、三塁では一塁線にスクイズを決める追加点。「ベンチのサインではなく、自分の判断。楽しい野球で勝つことを大切にしたいので、楽しくプレーしていきたい」と両校が目標としている自主性を体現して決勝打となる大きな1点を奪った。

 試合後に慶応は森林貴彦監督(51)がリクエストして東日本大震災の被災地・名取市震災復興伝承館などを見学。初めて訪れた被災地に「亡くなった方たちの思いが無駄にならないよう、改めて生きている人たちがこの教訓を生かさなければならない」と肝に命じた指揮官。選手たちも真剣な表情で語り部の話を聞いた。

 今回、親交を更に深めた両校は来春のセンバツや来夏の甲子園など、全国大会での再会を誓った。東北・大場隼汰主将(2年)は「全国の舞台で慶応さんと対戦して、お互いがモットーにしている楽しい野球を広めていけたら」。慶応・山田望意(のい)主将(2年)は「今回は完敗したので、次は打ち崩して大差で勝てるように頑張りたい」。夢の舞台を目標に力を伸ばし、各県大会を勝ち進む。

(山崎 賢人)

 〇…東北高1年でパリ五輪女子スケートボードストリートで銀メダルを獲得した赤間凛音(りず)が始球式に登場。23年8月3日に東京ドームで行われた巨人対ヤクルト戦以来となる始球式となった。「去年はノーバウンド投球ができたけど、今年はできなくて悔しい」と苦笑い。その他にも赤間のサインボールが当たる抽選会なども行われ、イベントに引っ張りだこだった。

 ◆東北(私立) 1894年創立で宮城県仙台市にある共学校。甲子園出場は春20度、夏22度。最高成績は03年夏の準優勝。主なOB、OGはダルビッシュ有(パドレス)、佐々木主浩(元マリナーズ)、雄平(元ヤクルト、楽天打撃コーチ)、羽生結弦(フィギュアスケート)、荒川静香(フィギュアスケート)。

 ◆慶応(私立) 1858年創立で神奈川県横浜市にある男子校。甲子園出場は春10度、夏19度。最高成績は1916年と2023年夏の優勝。主なOBは加山雄三(歌手)、櫻井翔(タレント)、木沢尚文(ヤクルト)、柳町達(ソフトバンク)、豊田章男(トヨタ自動車代表取締役会長)。