“事実上の戦力外”から1か月――ストライクを多投する藤浪晋太郎の「改善」を米メディアも称賛「昇格すれば、助けになる」

AI要約

ショッキングなDFAから約1か月経過し、3Aで存在感を発揮した藤浪晋太郎の活躍。

制球力の改善が顕著で、圧巻の投球で5奪三振をマーク。

メッツ傘下での好投によりメジャー昇格の期待が高まる中、藤浪のキャリアに注目が集まる。

米スポーツ専門メディアからは藤浪の投球に対する評価が高まっており、メッツでの昇格を期待する声も。

防御率は依然として課題だが、力強い投球やスピードボールの才能で魅了。

メジャー昇格の可能性については球団の判断次第であり、藤浪が制球力を示すことが必要とされる。

“事実上の戦力外”から1か月――ストライクを多投する藤浪晋太郎の「改善」を米メディアも称賛「昇格すれば、助けになる」

 ショッキングなDFA(メジャー出場の前提となる40人枠ロースターから外す措置。『事実上の戦力外』とも伝えられる)から約1か月――。3A残留を決めた30歳が存在感を示した。

 現地時間8月17日に行われた3Aのロチェスター戦に藤浪晋太郎(メッツ傘下のシラキュース)が7回から3番手で登板。2回(23球)を投げ、無安打無失点、5奪三振の快投を見せた。

 通年の課題であった制球力の改善も顕著に見られた。8点ビハインドの7回からマウンドに上がった藤浪は、先頭をショートフライに打ち取ると、後続を見逃し三振、空振り三振でねじ伏せる。

 勢いに乗った右腕は、回跨ぎで上がった8回も圧巻の投球を披露。ストライク先行の投球でスプリットを決め球に3者連続の空振り三振で危なげなく乗り切った。この日に投じた23球中ボールはわずか2球のみ。ストライク率は91%で、1人目の2球目から最後の打者の3球目まで20球連続でストライクを記録した。

 今季は5月に右肩の張りで負傷者リスト(IL)入りした藤浪。6月5日(現地時間)には60日間のILに移行すると、7月26日にはDFAとなった。メッツとの1年契約でシビアな状況は続いているが、それでも右肩痛から復帰した6月25日以降は13登板中10登板で無失点と徐々に安定感は出つつある。

 メジャーリーグのレギュラーシーズンが佳境を迎えようかと言う中で、復調の兆しを見せる。そんな藤浪には、現地も期待を寄せる声は出ている。米スポーツ専門メディア『Yardbarker』は「メッツが2024年シーズンを最高の形で終えたいなら、良い投手が必要だ。シンタロウ・フジナミが昇格すれば、その助けになるかもしれない」と指摘。直近のマイナーで出している成績をふまえ、次のように論じた。

「フジナミはシーズン終盤、メッツの貴重な選択肢になるかもしれない。たしかに彼は防御率を見ると苦しんでいる。実際、防御率は依然として6.85と高い。しかし、100マイル以上のスピードボールで投げられる能力は、やはり魅力だ。これこそが彼を昇格させる理由だ」

 もっとも、同メディアは「フジナミがメジャーに昇格するには、ストライクゾーンにコントロールする潜在能力を引き続き示さなければならない」と強調。やはり藤浪のキャリアを通した課題である制球力が厳しく見られている印象は否めない。

 はたして、藤浪にメジャー昇格の機会は与えられるのか。球団の判断を含めて大いに注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]