ドラフト候補の富士大・佐藤柳之介、9K2失点で今季初完投勝利「この秋に悔しさ全てぶつける」

AI要約

富士大が11-2で逆転勝利を収めた北東北大学野球秋季リーグの開幕戦で、エースの佐藤柳之介投手が素晴らしい完投を見せた。

リベンジに燃える佐藤投手は、バッテリーとの信頼関係やメンタル面の成長を感じさせるパフォーマンスを披露した。

佐藤投手は、春の苦い経験を糧にしてさらなる進化を遂げ、チームの勝利と個人の成長を目指している。

ドラフト候補の富士大・佐藤柳之介、9K2失点で今季初完投勝利「この秋に悔しさ全てぶつける」

<北東北大学野球:富士大11-2青森学院大◇17日◇第1週第1日◇青森県営野球場

 北東北大学野球秋季リーグが開幕し、富士大が青森中央学院大に11-2の逆転白星を飾った。

 先発した今秋ドラフト候補の最速148キロ左腕・佐藤柳之介投手(4年=東陵)が4安打9奪三振2失点(自責1)。今季初となる完投で勝利をもたらした。

 打線の奮闘に左腕エースも応えた。7回表に逆転に成功すると、その裏は佐藤の奪三振ショーで3者連続三振。得意のカーブで打者の目線をずらし、最後は直球とチェンジアップにバットが空を切った。

 「この秋に悔しさを全てぶつける」。春開幕戦の青森中央学院大戦で先発したが、5回3失点で降板。初戦につまずき、目標としていた日本一どころか、全国大会出場すらも逃した。「自分が投げて負けているので、絶対に抑えてやる気持ちは強かった」。リベンジに燃える執念が投球に表れた。

 バッテリー間での信頼関係が武器の1つだ。女房役の坂本達也捕手(4年=博多工)に絶大な信頼を寄せている。この日も坂本のサインにほとんど首を振らなかった。「(坂本が)組み立ててくれるので、自分はそれを信じて投げるだけです。ここまで投げられたのは今年初なんですけど、坂本のおかげです」と二人三脚でつかみ取った完投勝利だ。

 秋でのリベンジを誓い、基礎をつくるためにも冬以上の走り込みを行った。さらに、ショートアームでの投球フォームや変化球の握りなども見直した。これが功を奏し「直球での浮き球もなく、変化球も腕が振れて緩急をつけることができた」と初戦から好感触だ。さらに、メンタル面での成長も実感。1失点でしのいだ4回のピンチは「春だったら2失点取られていた」と傷口を最小限に防いだ。

 ピンチ=マイナス思考のエースはもういない。「春負けてからは、仲間だけではなく、自分のボールも信頼することが大事だと気づいた」。わずか3カ月で、さらなる進化を遂げたエース。「春に悔しい思いをしたので、まずは全勝で優勝したい。自分も春はふがいない結果だったので、自分が納得できる結果でリーグ戦を締めくくりたい」と意気込んだ。「日本一」と「プロ入り」への道を、自らの腕で切り開く。【木村有優】

 ◆佐藤柳之介(さとう・りゅうのすけ)2002年(平14)11月1日生まれ、宮城県七ケ浜町出身。小学3年時に塩釜ドラゴンズで野球を始めた。中学は七ケ浜リトルシニア(現仙台伊達リトルシニア)、高校は東陵でプレー。同校では1年秋にベンチ入り。富士大では1年春にベンチ入りした。今春は5試合に登板し2勝1敗、防御率1・99。左投げ左打ち。179センチ、88キロ。好きなアーティストはMrs.GREEN APPLE