「口に出すって恥ずかしいことじゃない」 メダルを狙い、涙した古賀紗理那 28歳が引退まで追い求めた勝利

AI要約

パリ五輪の女子バレーボール日本代表主将を務めた古賀紗理那が引退会見を行い、3年間の日本代表での経験を振り返る。

古賀は東京五輪後に一度は引退を考えたが、パリ五輪を目標に再び日本代表でプレーすることを決意。

古賀は周囲の支えと自身の成長を感じながら、三年間を駆け抜け、チームの勝利に対する強いこだわりを持ち続けた。

「口に出すって恥ずかしいことじゃない」 メダルを狙い、涙した古賀紗理那 28歳が引退まで追い求めた勝利

 パリ五輪の女子バレーボール日本代表主将を務めた古賀紗理那が16日、都内のホテルで引退会見を行った。3日に行われたパリ五輪1次リーグのケニア戦が現役最後の試合に。東京五輪から駆け抜けた3年間、やり切った28歳は「チームとして戦うために、積み上げてきたものは少しも消えない」と悔いなく語った。

 2021年、初戦で右足首を負傷しながら戦い抜いた東京五輪を終え、古賀の心は「気持ちも終了していた」と表現するほど、一度は燃え尽きていた。「ずっと懸けてきた五輪だったので、気持ちも落ちてしまっていた」。葛藤する中で、決めた現役のゴール地点は3年後のパリだった。

「やり残したことがあるんじゃないかと、心の中にあった。『自分の気持ちが終わったから、もう日本代表に行きません』は、自分の中でも納得しないと思ったし、後悔すると感じた。この悔しさを晴らせるようにパリ五輪に出場すると強い気持ちでやろうと決意しました」

 家族にも「パリで最後にするね」と伝え、主将として臨んだ日本代表での日々。海外を転戦し、日の丸を背負う重圧は「正直、とてもきつかった」と振り返る。それでもこの3年間は、一番楽しい時期でもあった。

 パリを目標に逆算して、計画的に古賀紗理那というバレー選手を、自ら育てていった。「自分でも分かるくらい成長できている実感があった」。もちろん周囲の支えがあってこそ。所属するNECでも、日本代表でも「たくさんの人に支えられてやってこられた」と感謝する。

 勝利に対するこだわりは、誰より強い。日本代表主将としては、選手たちの熱量を引き上げるためにも奔走した。「自分が思ったことははっきり伝えようと思って過ごしてきた。その点は後悔なく、最後までやり切ることができた」。今年のネーションズリーグ(NL)では初の銀メダルを獲得。準決勝では世界ランク1位だったブラジルをフルセットの末に撃破した。最も印象に残る一戦だ。