パリは28年ロス五輪に「とても高いハードルを設定した」と指摘する声。『美しいロケーション+仮設スタンド』実現に32年開催都市は悲鳴「不可能だ」

AI要約

パリ五輪が17日間の競技日程を終え幕を閉じ、新型コロナウイルスの影響を受けた東京大会を経て、オリンピックが明らかに復活したことが確認された。

パリ大会は歴史に残る偉大なオリンピックとして称賛され、素晴らしいロケーションと建造物を活かした演出が注目された。

パリから学ぶべき点を指摘する声もある一方、オーストラリアのブリスベンではパリの模倣よりも独自性を重視する姿勢が示されている。

パリは28年ロス五輪に「とても高いハードルを設定した」と指摘する声。『美しいロケーション+仮設スタンド』実現に32年開催都市は悲鳴「不可能だ」

 現地8月11日、パリ五輪は17日間の競技日程を終え幕を閉じた。海外メディアからは「パリ大会はレガシーという観点から、新型コロナウイルスの影響を受けた2021年の東京大会を経て、オリンピックが明らかに復活したことを確認できた」と語っている。

 国際オリンピック委員会(IOC)のマーケティング責任者だったマイケル・ペイン氏は「この大会は、歴史に残る偉大なオリンピックのひとつとして語り継がれるだろう」と称賛。エッフェル塔でのビーチバレーから、馬術競技が実施されたヴェルサイユ宮殿の優雅な環境、フェンシングやテコンドーが開催されたグラン・パレの壮麗さまで、「パリ大会はまさに『光の都』への観光ガイドだった。パリの街が巨大なオリンピック会場となり、その素晴らしい象徴的な建物を背景にした演出は、世界中のテレビ視聴率に大きな影響を与えた」と付け加え、高く評価した。

 一方で、別の幹部は「パリは28年の開催地であるロサンゼルスに、非常に高いハードルを設定した」と考えているようだ。「パリから学んだことがひとつあるとすれば、それは素晴らしいロケーションに仮設会場を使用したことだ。今後の開催地は、常設スタジアムを新しく建設せず、美しい場所に仮設スタンドを設置する際のテンプレートとして活用すべき」と主張。パリのランドマークと自然の美しさを利用した今大会が、オリンピックの招致都市にとって大きな転機になると論じている。

 だが、この考えに異論を唱えているのが32年の開催都市だ。オーストラリアのトップニュースサイト『News.com.au』は「将来のオリンピック開催都市は、パリ五輪の最大のレガシーから教訓を学ぶよう促されている。しかし、ブリスベンでは不可能だ」と強く警告している。

 同メディアは「クイーンズランド州の海岸と象徴的なビーチは、サーフィン、セーリング、ビーチバレーなどのイベントをするには素晴らしい背景を提供すると思うが、ほとんどのスポーツには世界的に有名なランドマークが乏しい」と言及。「市庁舎前でフェンシングをやっても、それほど派手には見えない。ブリスベンはパリに追随するよりも、ブリスベンらしくある方が良いだろう」と、模倣はしない慎重な姿勢を示した。