スポーツクライミング女子複合4位の森秋彩 世界の舞台で確かな手応え パリ五輪

AI要約

森秋彩はスポーツクライミング女子複合決勝で4位に入り、表彰台を逃したものの成績を受け入れる姿勢を示した。

森秋彩は競技を始めたきっかけや過去の成績、国際大会から離れた期間、復帰戦での初優勝などを振り返った。

20歳の天才クライマーは自信を持って高い壁を乗り越え、大舞台で自分らしく伸び伸び登れたと語った。

スポーツクライミング女子複合4位の森秋彩 世界の舞台で確かな手応え パリ五輪

パリ五輪は10日、スポーツクライミング女子複合決勝に、予選を4位通過した森秋彩(茨城県連盟)が出場。前半のボルダーで7位と出遅れたが、後半のリードでは全体1位の96・1点と巻き返し、合計135・1点で4位に入った。

スポーツクライミング女子複合決勝で、森秋彩は得意のリードで巻き返したものの、4位に終わった。「表彰台を逃してかなり悔しい思いが強いが、なるべくしてなった成績と思って素直に受け入れようと思う」と結果を受け止めた。

1種目目のボルダーは4課題中1課題を完登して7位。2種目目のリードは、完登こそ逃したものの、唯一、最後の一手までたどり着き、「出し切ることができた」と振り返った。

小学1年生のとき、父親にジムに連れて行ってもらったことをきっかけに競技を始めた。「登るのが大好きだった。限界に挑むことに魅力を感じ、どんどん追い込んでいった」。休憩を挟まずに黙々と登り続け、持久力は自然と磨かれた。

2016年の「リードジャパンカップ」を12歳で制覇。「天才少女」と注目されたが、19年から参戦した国際大会は結果が出なかった。東京五輪の出場も逃し、「登っていても楽しくないし、何のためにやっているのか分からなくなった」。国際舞台から離れた。

約3年間、「楽しむ程度」でかかわるうち「緊張感を味わいたい」との思いが芽生えた。22年9月のリードのワールドカップ(W杯)復帰戦は「心から楽しい」と感じながら登って初優勝。強くなって帰ってきた。

「大舞台で自分らしく伸び伸び登れたのは、これまで色んなことを乗り越えてきた成果。そこは自信を持っていいかな」。高い壁を乗り越えた20歳の「天才クライマー」は晴れやかな表情だった。(神田さやか)