【甲子園】宮崎商、令和初の県勢1勝で3年前コロナ辞退の無念晴らせず「グッとくるものが」監督

AI要約

宮崎商が中京大中京に1点差で敗れ、令和初の県勢甲子園1勝を逃した。

悔しい21年夏の不戦敗から3年ぶりに甲子園出場した橋口監督の思いと、選手たちの感謝の気持ち。

1点差勝負での敗退が悔しさを残すが、橋口監督は選手たちを称賛し感謝の気持ちを述べた。

【甲子園】宮崎商、令和初の県勢1勝で3年前コロナ辞退の無念晴らせず「グッとくるものが」監督

<全国高校野球選手権:中京大中京4-3宮崎商>◇10日◇1回戦

 宮崎商が甲子園優勝経験校の中京大中京(愛知)に善戦するも、令和初の県勢甲子園1勝を逃した。

 1点差の9回。3者凡退でゲームセットを迎えた。三塁側スタンドの応援団に最後のあいさつを終え、橋口光朗監督(36)の目は潤んでいた。

 「いろんな方の顔が見えてね…。グッとくるものがありましたよ」

 あの悪夢が忘れられない。前回出場時の21年夏だ。新型コロナウイルスに集団感染し、智弁和歌山との初戦を辞退。春夏通じて初の不戦敗となり、黒土を踏むことなく聖地を去った。「申し訳なくて、無念極まりなかった」と振り返る。

 今大会はそれ以来となる3年ぶりの出場だった。

 橋口監督は「今日の朝起きて『やっと(甲子園で試合が)できる。無事、今日を迎えられた』って。それだけでグッとしてきて」。

 当時、涙に暮れた3年生たちから激励のメッセージも届いた。「うれしいことですよね。教え子から連絡をもらうことほどうれしいことはないです」と感無量だった。

 さらに試合2日前に宮崎県南部で震度6弱の地震。幸いにも選手、その家族に被害はなかったが、勝って被災地を勇気づけたかった。「私がもう少し工夫できていれば…。ちょっと悔いが残ります」。1点差勝負で敗れ、県勢5大会連続で初戦敗退。勝って3年前の無念も晴らせなかった。

 それでも、優しい笑みを浮かべ、言った。「粘り強く、よく頑張ってくれた。甲子園に連れて来てくれて感謝ですね」と、ナインをねぎらった。【佐藤究】