【卓球】パリ最後の「ハリバウアー」個人団体メダルなしも張本智和「僕は必然だったと思いたい」

AI要約

日本男子団体卓球チームがパリオリンピックの3位決定戦でフランスに敗れ、メダルを逃した。

張本智和は懸命に戦い、最後の試合で勝利を収めるも、チームの敗北を受け入れる。

張本は悔しさを感じながらも、次の大会に向けて再度頑張る決意を示す。

【卓球】パリ最後の「ハリバウアー」個人団体メダルなしも張本智和「僕は必然だったと思いたい」

<パリオリンピック(五輪):卓球>◇9日◇男子団体◇3位決定戦◇パリ南アリーナ

 【パリ=松本航、木下淳】世界ランク4位の日本(張本智和、戸上隼輔、篠塚大登)がメダルを逃した。同3位で開催国のフランスと銅メダルをかけて対戦し、最終ゲームまでもつれ込んだ死闘を2-3で落とした。

 第1試合のダブルスを篠塚、戸上組が先取された後、第2試合のシングルスで張本が登場。個人で銅メダルを獲得している17歳のフェリックス・ルブランと対戦した。7日の準決勝のスウェーデン戦では、最終の第5試合シングルスで2-0からひっくり返され、銀メダル以上を逃した。3時間半を超える激闘で力尽き「死んで楽になるんだったら死にたい」とまで、例え話で形容してしまうほどのダメージを負ったが、懸命に切り替えて3位決定戦を迎えた。

 ルブラン弟を相手に、第1ゲームは終盤に逆転して13-11で競り勝つ。第2ゲームこそ失うが、第3ゲームを取り返す。2-1となったが、第4、5ゲームを失い、またも逆転負けで2試合を先取された。

 戸上がルブラン兄のアレクシで3―1で取り返した後、再び張本だ。シモン・ゴジに対して、第1ゲームを11―8で先取。第2ゲームは失ったが、第3ゲームを取り返し、第4ゲームもデュースの末に14-12でものにした。背中を反り返したガッツポーズ「ハリバウアー」を発動。この五輪では自身最後となる試合を制し、喜びを爆発させた。土壇場でエースの役目を果たした。

 最後は篠塚がルブラン弟に健闘も、及ばなかった。2016年リオデジャネイロ五輪の銀、2021年東京五輪の銅メダルに続く3大会連続のメダルは守れなかった。張本もはすがすがしかった。

 張本は「最後の最後まで、篠塚が『もしかしたら…』って思わせてくれた。この大会で一番感動した試合だったかもしれない」とした上で、日本が2大会ぶりのメダルなしに終わった責任を一身に背負い込み、言葉を紡いだ。

 「たまたまで終わらせることもできるし、必然と思うこともできるけれど、僕は必然だったと思いたい。自分に絶対、何かしらの問題がある。技術なのか戦術なのか、メンタル、体、どこか分からないけれど、また頑張り続けることしかできない。今が一番スッキリしてるかな。帰国した後の(銀メダル以上の)女子の取材だったり、今後の他の競技の(歓喜の)取材を見たりするたびに絶対、悔しい思いをできるので、 たくさんの方がメダリストになって、自分たちは取れなかった。でも悔しがる分だけ喜ぶ人がいる。逆に今まで僕が勝ってきた試合の裏でも、負けて涙を飲んできた選手がたくさんいる。 負けがあるから、勝った時、うれしいのかな、全部、勝ってばかりじゃ楽しくないかな。そう思うしかないので。とは言っても、やっぱりメダルを…負けた以上はそう考えるしかないのかな」

 次の28年ロサンゼルス大会へ、パリの手ぶらを教訓にする。