【卓球】張本智和「戸上がうれしい誤算というか…」戸上隼輔呼び捨ての信頼関係 団体4強進出

AI要約

日本の男子卓球団体が台湾を3-1で破り、準決勝進出を果たした。

張本智和はエース対決で敗れたが、戸上隼輔や篠塚大登が勝利に貢献し、チーム力が勝利につながった。

張本は体調に不安を抱えながらも、チームメンバーとの結束を強調し、準決勝でも全力を注ぐ意気込みを示した。

<パリオリンピック(五輪):卓球>◇6日◇男子団体準々決勝◇パリ南アリーナ

 【パリ=松本航】世界ランク4位の日本(張本智和、戸上隼輔、篠塚大登)が同5位の台湾に3-1で勝ち、準決勝進出を決めた。

 シングルスの世界ランクで9位の張本は、第2試合のシングルスで同7位の相手エース林■(■は日ヘンに句の口が二)儒に2-3で敗れた。それでも第3試合(シングルス)で戸上隼輔が高承睿に勝利。2-1と勝利に王手を懸けた。最後は第4試合(シングルス)で張本が荘智淵を3-0と圧倒して、勝負を決めた。

 試合後の張本の一問一答は以下の通り。

 -振り返って

 「東京(五輪)の時は準々決勝2点取り(2勝)でしたけれど、今回の方が(うれしい)。決してこっちの方がいいチームとか、あっち(東京五輪時の日本チーム)を落とすわけではないですけれど、助けられて、自分が落としたにもかかわらずこんなにうれしく、準決勝にいけたのは、すごく不思議というか『本当にありがとう』と2人(戸上、篠塚)に思います」

 -エース対決で敗れた

 「正直、世界のトップ10…林選手が7位で僕が9位ですかね。他の選手を含めて、トップ10は本当に誰が誰に勝ってもおかしくない。高確率でフルゲームにいきますし、僕と樊振東、林とルブランも(今大会のシングルスで)本当に3-4、4-3。悔しいですけれど、今の僕では『絶対に林に勝てる』とか『ルブランに勝てる』というレベルではないので、この結果にも悔しさもありながら、受け入れながら『シングルスじゃないから、これで終わりじゃない』と思った。戸上のシングルス(第3試合)、僕のシングルス(第4試合)は有利なので、戸上に流れを断ち切ってもらって『僕が4番勝つんだ!』と切り替えられた。これが団体戦の強みかなと思います」

 -試合内容は

 「技術は悪くないですね。プレーもすごく良かったですし(第2試合最終ゲーム)4-1のエッジ(ボールの失点)が悔やまれますけれど、本当に今大会はいいところと悪いところを分けて考えられている。技術どうこうよりも、まずは体。体もつりかけていて、最後らへんは危なかったですし、まずは4番(第4試合)を戦いきること。『それができれば勝てる』と思っていました。まずはケアする。ごはんだったり、捕食を食べることに専念しました」

 -エース対決

 「エース対決っていうところは、本当にどこの国も計算はできない。勝てばラッキー、負けたらしょうがない、というところがある。本当にこうやって2番手同士で、日本は戸上が他の各国の2番手より基本的に優勢っていうのが強み。本当に戸上の頼もしさを、いつも対戦しながら心強いと思っていましたし、これがチームとなればより一層思います。本当にあの流れで(第3試合を)3-0でスパッと勝てたのは戸上の力がすごいなと思いました」

 -東京五輪に比べて年齢が近い3人がメンバー

 「東京の時は先輩方に引っ張ってもらって、プレッシャーがいつもより少ないような、シングルスよりもプレッシャーなく戦えたのが良かったチームです。今回は全員が全員をカバーしあう。もちろんランキングや序列があるかもしれないですけれど、みんながチーム。同世代で僕たち3人が試合をしたら「本当に誰が勝つか分からない」というライバルたちなので、みんなが3-0で勝利を目指しますし、ダメだった時に、誰かがカバーする。普段の生活から、みんな仲がいいので、いいチームだなと本当に思います」

 -コンディションを考えた

 「『足をつらずにやりきれば勝てる』と言い聞かせてやりました。いつもは捨て身で来る(荘)智淵選手ですけれど、今日はオリンピックのプレッシャーか、特に彼はシングルスが今回初登場で思い切れていない部分があった。本当に手堅くしっかりプレーして、自分はリスクを負わずにやればいけると思っていました。本当に体の心配だけをして、さすがに声はあまり出さずに、声はベンチから出してもらって、僕はプレーに集中する感じでやりました」

 -足をつりそうになったのは

 「(第2試合の)林選手が終わってからですね。試合中は大丈夫だったんですが、ちょっと怪しいところがあったので、真っ先にケアをして。もうちょっとケアをしたかったんですけれど、戸上がうれしい誤算というか、早く終わらせちゃったので『まぁまぁいいか』と思っていきました(笑い)」

 -試合を重ねてチーム力が上がってきた

 「まだ2試合ですけれど、やっぱり(自身が早田ひなと出場した)混合ダブルスの1回戦から部屋に戻ればみんなで反省というか、自分の試合じゃなくても、篠塚、戸上は聞いてくれますし、本当に団体戦から一緒に戦っているのではなく、オリンピック初戦、混合初戦からみんなで戦えている。(団体で)2回しか試合をしていなくても結束していますし、たった2試合じゃないぐらい、3人でオリンピックを過ごしてきている。それがいい方につながっているのかなと思います」

 -2人の愚痴を聞いたりは

 「僕、人の話を全然聞かないんで(笑い)。本当に最低というか、自己中というか…(笑い)。むしろ自分の愚痴も反論されるとイライラしちゃうんで、聞いてもらって『こうじゃない?』って言われたら『あっOK』って帰るんで(笑い)。それも分かってもらっていて、だからこそあっちも聞いていないですし、言っても聞かないんだろうなっていう(笑い)。全く意味のない、生産性のないことですけれど、それが良さというか、友達なのかなと思います」

 -戸上呼びになったのは

 「ずっとです(笑い)。メディアの前では(さん付けで)言っていますけれど、こういう興奮したときはボロが出ちゃいます。ずっと小学校の時から…小2-小4とか、小3-小5で敬語ができていないままで、あやかって『戸上だよね』と。逆に僕も1~2つ年下だったら、そういうこともあるので『自分がしたことはされるんだな』と思います(笑い)」

 -今大会心がけていること

 「本当に序盤から言っている通り、ミックス(混合ダブルス)で負けても『シングルスで取り返そう』とは思わない。シングルスで負けても『団体戦で倍頑張ろうと思わない』っていう気持ちでここまできて、それがすごく良かった。今日もシングルス初戦を負けても『僕が(荘)智淵に負けるわけではない。林(■(■は日ヘンに句の口が二)儒)に負けたのであって、智淵とは試合もしていない』と言い聞かせてプレーしてきましたけれど、明日だけは今日を取り返す気持ちでやります。今日のエース対決を明日、絶対に取り返す。ここだけは自分の信念を曲げて。もちろん準決勝で勝てればいいわけじゃなくて、決勝があるんですけれど、今の僕たちの力は確実に中国には劣るので。対等になるのは4年後。まずは今、準決勝を全力で勝ちきる。『ここで燃え尽きてもいい』という気持ちでやりたいと思います」

 -相手はスウェーデンかドイツ

 「どっちも格上だと思ってやるしかないですね。スウェーデンもランキングは下(7位)ですけれど、今回の(シングルス銀メダル)モーレゴードの活躍は林■(■は日ヘンに句の口が二)儒と同等の脅威がある。明日もし当たっても、難しい、簡単にいかない試合になりますし、ドイツは言わずもがな3人とも強い。ティモ・ボルがダブルスにいるのはすごく怖いことなので、本当に対等か、こっちが挑戦でいくかのところ。でも、今日の2人(戸上と篠塚)を見れば本当に頼もしいし、点(勝利)も取ってくれると思うので、明日は今日の分を取り返す。全力で1点、(自分に)回れば2点、勝つ気持ちでいきたいと思います」