圧巻の走り、アフリカと母へ テボゴ、ボツワナ初の金―陸上〔五輪〕

AI要約

テボゴが五輪史上初のアフリカ選手として男子200メートルで金メダルを獲得し、母の亡き後も彼女を感じながら走り抜いた。

ライルズらを抑え、圧巻の走りで先頭に立ち、アフリカにとって歴史的な瞬間となった。

母の誕生日をスパイクに刻み、母との絆を感じながらレースをするテボゴの姿が感動的だった。

 男子200メートルの決勝前、派手に跳びはねて登場した100メートル覇者ライルズ(米国)とは対照的に、テボゴは静かにスタートラインについた。

 スタートを切れば圧巻の走り。カーブを曲がり切って先頭に立ち、「本当に美しいレースだった」。誇示するように右手で胸をたたきながらゴール。ライルズから祝福されると、白い歯を見せた。

 アフリカ南部の国ボツワナに、史上初の五輪金メダルをもたらす歴史的なレースとなった。200メートルをアフリカ選手が初めて制したことについて、「これからアフリカはスプリントの国として見られるようになる。大きなことだね」。伸び盛りの21歳はそう意義を語った。

 いつも背中を押してくれた母が急逝したのは五輪を控えた5月。約1カ月間、何も手につかなかったという。「自分を信じられない時でも、彼女は信じてくれた」

 テボゴのスパイクには、亡き母の誕生日が記されている。頂点に立った息子は「レースでの一歩一歩が、母と共にある。それが大きなモチベーション」と誇らしげだった。