【甲子園】小松大谷が初勝利で石川に勇気与えた 2月合同練習&夏に応援受けた能登の思い背負う

AI要約

小松大谷が3年ぶりに甲子園初勝利を達成。2度の初戦敗退を覆し、明豊を破る。

田西の逆転三塁打や活躍が光る中、石川県能登町との深い絆が試合に影響。

能登高校の思いを背負いながら、次戦は大阪桐蔭との対戦に臨む小松大谷。西野監督が意気込みを語る。

【甲子園】小松大谷が初勝利で石川に勇気与えた 2月合同練習&夏に応援受けた能登の思い背負う

<全国高校野球選手権:小松大谷8-4明豊>◇8日◇1回戦

 3年ぶり3度目出場の小松大谷が今春九州王者の明豊を破り、念願の甲子園初勝利をつかみ取った。過去2度はともに初戦でサヨナラ負け。今回も同じく夏の先攻で接戦だったが「三度目の正直」で悲願達成だ。

 1点を追う7回無死一、二塁。そこまで3打数無安打で2打席連続三振の3番・田西称(たさい・とな)内野手(2年)に打席が回った。西野貴裕監督(49)は「『次はやるぞ』という顔をしていた」と送り出した。田西の打球は右中間を破り、2点適時三塁打で逆転に成功。期待に応え「前の2打席で三振して、迷惑をかけたので、なんとか初勝利のために、という思いで、ガッツポーズが出た」。三塁ベースに勢いよく滑り込み、ベンチに向け喜びをあらわにした。8回にも右前適時打を放った。

 石川大会決勝で先制弾を放ち、チーム最多の7安打を記録。西野監督は「『頼むぞ』というところで、この夏の大会はよく活躍してくれている」と好結果を喜ぶ。

 1月の能登半島地震で大きな被害を受けた石川県能登町にある能登野球部の思いも背負い、戦った。2月に宿泊拠点として数日間合宿所を貸し出し、合同練習を実施。西野監督は、親交がある能登・清間(せいま誠部長(47)の「野球をさせてあげたい」という思いを受け「合宿所に泊まりにおいで。一緒にやろうよ」と誘った。合同練習を通じ「野球をできることが当たり前じゃないことは生徒たちに伝わったんじゃないかな」と振り返った。

 清間部長も「日本航空石川戦もびびらずに一生懸命戦えた」と、合同練習の経験が生きたことを明かした。小松大谷が夏の甲子園出場を決めたとき、祝福の連絡を入れた。この日も勝利を喜び「次の試合も頑張ってほしい」と応援。選手権前にも「思い切って頑張ってください」とエールを送っており、西野監督は「少し応えられたかな」と安堵(あんど)した。

 選手同士の絆も深まり、能登の選手らも石川大会決勝の応援に駆けつけた。この日先制打を含む3安打3打点と活躍した主将の東野達(たつる)捕手(3年)は「能登高校さんの思いが募って、こういった結果にさせてもらえたのかな」と感謝した。

 石川大会も含め、夏に対戦した高校の思いも背負って次戦は大阪桐蔭と戦う。西野監督は「今日のように、投げるべきところに投げて、打つべきところの球を見逃さず。ただそれだけしかないので、また1週間やっていきたいと思います」と意気込んだ。【塚本光】