性別騒動「気にしない」 ヘリフ快勝、銀以上確定―ボクシング〔五輪〕

AI要約

アルジェリアのボクシング選手イマネ・ヘリフがパリ五輪で銀メダル以上を確定させたことが話題となっている。

性別問題で論争を引き起こした選手であり、競技への姿勢や経歴が注目されている。

ヘリフは決勝で金メダルを目指す意気込みを見せており、世間の議論に心を奪われず集中している。

性別騒動「気にしない」 ヘリフ快勝、銀以上確定―ボクシング〔五輪〕

 パリ五輪のボクシング女子66キロ級で、アルジェリアのイマネ・ヘリフ(25)が6日の準決勝でタイ選手に勝ち、銀メダル以上が確定した。

 性別問題で論争を招き、報道陣が100人以上も集まる中で「この成果を誇りに思う。(次も)世界が注目する中で最高のパフォーマンスを見せたい」と話した。

 発端は1日に行われた初戦の2回戦だった。相手のイタリア選手が開始46秒で棄権。海外メディアに「続けない方がいいと思った。痛みがひどかった」と語った。ヘリフは昨年の世界選手権で男性ホルモンの一種のテストステロン値を測る検査で失格となっていた。

 当初は、男性として生まれたトランスジェンダーと誤解された。非難が相次ぐ中、父オマルさんはAFP通信に「彼女は娘だ。女の子として育てた」と明言。国際オリンピック委員会(IOC)は公的文書の性で出場資格を判断していると説明した。

 世界選手権を主催するのは、不明朗な組織運営などでIOCから統括競技団体の承認を取り消されている国際ボクシング協会(IBA)。五輪のボクシング競技はIOCが運営している。5日にはIBAがヘリフを「男性」と主張。アルジェリア側は「根拠がない」と反論した。

 ヘリフはリサイクル用の金属を売って自宅から10キロ離れたジムへ通う交通費を稼いだ。アルジェリアのユニセフ大使として子供たちをサポートするなど、慈善事業にも力を注ぐ。6日に会場を訪れた同国出身でパリ在住のハリム・ベンサイディさん(32)は「彼女はもともと女性。ちゃんと応援すべきだ」と語った。

 準決勝は3回に右の強打でスタンディングダウンを奪うなど快勝。「私も他の選手と同じ。金メダルを目指している」。性別を巡る騒動は「気にしていない」と断言した。決勝は9日に行われる。