【WRC】勝田貴元、初勝利に必要な「あと1ステップ」速さは世界トップクラス、でも「結果につなげられていない」

AI要約

トヨタガズーレーシングの勝田貴元がフィンランドラリーの最終日で速さを披露し、上位にランクイン。

勝田は最終日にベストタイムを記録し、スーパーサンデーで2位に輝くも、DAY2のデーリタイアが悔やまれる。

勝田は持ち前の速さを持ちながらも、結果に結びつけられず、さらなる成長を目指している。

【WRC】勝田貴元、初勝利に必要な「あと1ステップ」速さは世界トップクラス、でも「結果につなげられていない」

◇WRC 第9戦 フィンランドラリー 最終DAY4(SS17~20) 4日 ユバスキラ ペン=古賀敬介

 トヨタガズーレーシング(TGR)の勝田貴元(31)が、世界トップクラスの速さを改めて証明した。ボーナスポイントのかかる最終パワーステージでベストタイムを記録し、日曜日だけの順位を競う「スーパーサンデー」はトップと同タイムの2位。惜しむらくはDAY2のデーリタイアで、悲願の初優勝へ「スピードには自信を持って戦えているが、結果につなげられていない。あと1ステップ見つけないといけない」と課題を見据えた。

 勝田が最終日に爪痕を残した。ラスト2つの競技区間(SS)19&20でベストタイムを記録。今季から導入されたスーパーサンデーでは、ヒョンデのエサペッカ・ラッピとコンマ1秒レベルまで同タイムで並ぶ。最終的な順位は、この日最初のSS17の順位(ラッピ3番手、勝田5番手)で決まったという。

 5日にオンライン会見を実施した勝田は複雑な表情だ。「自分の持っているペースは自信が持てることを、最終日に再確認できた。(41位という)結果は非常に残念。いろんな状況を見ながら(走りを)組み立てていけるようにしたい」

 悔やまれるのはDAY2のクラッシュだ。SS5序盤の左コーナーで膨らんでしまい、右リアタイヤを木にぶつけて破損。応急処置も実らずデーリタイアとなり、「小さなミスがそういう状況にしてしまった。(コーナーに入る時の)グリップ感は問題なかったんだけど…」と肩を落とした。

 トヨタのチャレンジプログラムに参加した2015年から拠点として腕を磨き、現在も居を構えるフィンランド。昨年大会は3位に入ったホームラリーで「昨年以上の結果を狙って序盤からプッシュしないといけない」と挑んだ結果だった。

 今季ここまで6戦でマニュファクチャラーズ登録されてきたが、第3戦サファリラリーの2位を除き、なかなか安定した結果を残せていない。「スピードに関しては自信を持って戦えているけど、結果につなげられず、僕自身すごくモヤモヤする状況。ただ、ペースをマネジメントして何とかできるカテゴリーじゃない。あと1ステップ見つけないといけない」

 速さでは世界トップクラスと遜色ないレベルに達した。足りないのは勝負どころを見極める嗅覚か、少しばかりの運か-。さらなる成長を求め、試行錯誤を続ける。