「原付二種、なかでもカブ一択!」フードデリバリー配達員が断言するワケ 数少ないデメリットも

AI要約

ウーバーイーツを皮切りにフードデリバリー業界が注目される中、配達員がバイクを愛用する理由や選択のポイントについて述べられている。

原付二種のバイクが配達業務に最適であり、特にホンダ「カブ」シリーズが経済性や整備性に優れていると評価されている。

バイクを配達に使う際のメリットや注意点について言及されている。

「原付二種、なかでもカブ一択!」フードデリバリー配達員が断言するワケ 数少ないデメリットも

 2016年9月に「ウーバーイーツ(UBER EATS)」が日本でシェアリングデリバリー(配達代行サービス)を開始したことを皮切りに、街中でフードデリバリーの配達員が働く姿を見る機会が増えました。そんな彼らが配達手段で用いているのが、自転車やバイク、軽自動車です。

 なかでもバイク、とりわけ排気量125cc以下の原付二種は、自動車税が低く抑えられているほか燃費に優れることで維持費が安く、他方で原付一種(50cc以下)のような30km/h制限や二段階右折の義務がないので使い勝手が良く、加えて緑色の事業用ナンバープレートを取得する必要がないことから、配達員の“良き相棒”として重宝されています。

 かくいう筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)も、配達員のひとりとして原付二種を愛用しています。ライター業は比較的時間が自由になりますし、隙間時間に好きな分だけ働けるフードデリバリーという仕事は、自営業の副業には最適です。

 フードデリバリーで仕事中、待機時間などにバイクで仕事をしている同業者と世間話をすることがあります。ときには使用するバイクの話題となることもありますが、聞いてみると愛車に何かしらのこだわりを持つ配達員も少なくはありません。

 さまざまな人たちのハナシを総合すると、彼らが使用するバイクも、その多くが原付二種でした。50ccの原付一種は取得が簡単な原付免許で乗れることもあり、二輪免許を持っていない人がバイクで始めるのに適してはいますが、原付一種には法律上の厳しい制約があり、公道などでは違反を検挙しようと警察が目を光らせているので、長期的に見ると二輪免許を取得してしまった方がよいでしょう。

 では、反対に126~250ccの普通自動二輪はどうかと言えば、原付二種よりも車体が大きく重くなって狭い道や行き止まりなどで取り回しが悪くなるほか、燃費や任意保険などの維持費も高くなります。加えて、フードデリバリーの仕事ではゆとりのある動力性能も活かせるシチュエーションはそうないので、選ぶメリットは少ないようです。

 ただし、現在所有しているバイクを配達にも使いたい場合や、郊外在住の人が自動車専用道を使って移動し、需要の多い都心で仕事をしたい場合には選択肢のひとつになります。なお、注意すべきは普通自動二輪で配達業務をするには事業用ナンバープレートの取得が必須なので、その点でも原付二種とは異なります。こうして見てみると、原付二種が最適という理由がわかるでしょう

 なかでも、最もフードデリバリーに適したバイクと言えるのがホンダ「カブ」シリーズです。これは筆者が「スーパーカブ110(JA44型)」を愛用しているからというだけではなく、65年以上に渡って郵便や新聞配達、飲食店の出前、警察などの官公庁といったビジネスの最前線で常に活躍してきたバイクというのも大きな理由です。

 カブシリーズには経済性、堅牢性、積載性、操作性、整備性と長所がいくつもあります。多くの伝説を持つバイクだけあって、今さらカブの利点について多くを語る必要はないでしょうが、カブを配達に使っている筆者が中でもとくにメリットとして感じたのは、整備性の良さです。

 いちいちカウルを外さないとメカにアクセスできないスクーターと違い、カブは構造がシンプルなため、メンテナンスをするのに手間が少なく、ちょっとした機械の心得と必要最低限の工具さえあれば、誰でも簡単にDIYで点検・修理ができます。しかも、長期にわたって大量生産され、全国津々浦々まで普及しているベストセラーバイクということで部品の入手性はピカイチ。各パーツの価格も低く抑えられています。