2冠のユーロ、日本に感謝 パッキャオしのぐ人気? ―フィリピン・体操〔五輪〕

AI要約

フィリピン出身の体操男子カルロス・ユーロが日本で2つの金メダルを獲得

日本の指導者との出会いがきっかけで日本で技術を磨き、世界選手権でも活躍

母国フィリピンで大きな注目を浴び、将来の目標は子どもたちに体操を広めること

2冠のユーロ、日本に感謝 パッキャオしのぐ人気? ―フィリピン・体操〔五輪〕

 日本に縁がある体操男子のカルロス・ユーロ(フィリピン)が2冠を達成した。

 ともに種目別決勝で、3日のゆかではフィリピンの体操男子として初の金メダルを手にし、4日は跳馬で二つ目のタイトルを獲得。ゆかの演技後は涙を見せて崩れ落ち、跳馬の勝利後は「信じられない」といった表情。「跳馬はメダルを取れると思っていなかった。ボーナスのような感じ」と夢見心地だった。

 出身はマニラだが、帝京大の医療技術学部で学びながら技を磨き、強豪の朝日生命でも練習。昨年までは、パリ五輪の男子団体総合金メダルメンバーになった岡慎之助や杉野正尭が所属する徳洲会で切磋琢磨(せっさたくま)した。

 きっかけは13歳の時。日本協会の交流事業でフィリピンに派遣された釘宮宗大コーチとの出会いだった。覚悟を決めて日本に行き、ホームシックやけがを乗り越え、2019年世界選手権種目別ゆかの王者になった。現在はフィリピンに戻っているものの、日本で得た物については「大きい。釘宮さんに日本の体操を教えてもらったし、本当にありがたい」と滑らかな日本語で感謝の言葉を口にする。

 ユーロの取材で訪れていたフィリピンのメディアによると、母国では五輪前から連日のように大きく報じられ、プロボクシングで世界6階級制覇を果たした英雄、マニー・パッキャオ氏をしのぐ人気があるという。今後の目標についてユーロは「フィリピンの子どもたちに、もっと体操を広めたい」と目を輝かせた。