パリ五輪「中国の圧倒的存在感」は競技以外でも…対して日本は?「じつは“あのチェーン店”が大人気。だが…」パリで記者が見た“もどかしい現実”

AI要約

中国と日本がパリ五輪で競い合う様子を比較。中国の応援が日本をしのぐ熱気を持っている。競技ごとに中国代表への熱心な応援が目立つ。

特に卓球やバドミントンでは中国の応援が際立ち、会場全体が中国色に染まる光景が見られる。中国の選手に対する注目度も大きな要因。

日本代表も世界2位という実績を持ちながらも、中国の選手に対する応援は圧倒的。日本と中国の差が存在感として表れている。

パリ五輪「中国の圧倒的存在感」は競技以外でも…対して日本は?「じつは“あのチェーン店”が大人気。だが…」パリで記者が見た“もどかしい現実”

 体操、卓球、バドミントン。パリ五輪で日本と幾度も優勝を争い、金メダルの獲得数でも上位につける中国。経済規模で見ると、日本は2010年にGDPで抜かれ、今や4倍以上の差をつけられるなど比較対象にならなくなってきたが、それでも気になる海を隔てた隣の大国。五輪に沸くパリでの存在感を現地で比較した。

 バドミントン女子ダブルス準決勝。日本対中国。会場を見渡すと観客席には30個近くの中国国旗が見える。日本の国旗は7、8個ほどだろうか。

 試合は中国の劉聖書(リュウ・シェンシュ)・譚寧(タン・ニン)ペアがリードする展開が続く。プレーが止まったタイミングで選手名と加油(ジャーヨウ)の掛け声が響く。日本代表の志田千陽・松山奈未ペアを応援する声もあるが、声の主は点在していて、束になった声援となっては届いていない。中国の応援のほうが倍近く多い印象だ。 ところかわって卓球会場。過去、日本と中国が激戦を繰り広げてきた競技ではどうか。

 8月2日の女子シングルス、早田ひなと孫穎莎(スン・イーシャ)の準決勝。映像でもわかるほどに両者への声援の量は異なる。プレーの合間、隙があれば差し込まれる「孫穎莎、加油」の掛け声。早田の得点にも歓声はあがっているのだが、映像ではそれが静かに聞こえるほど対照的だった。

 日中の直接対決でなくてもその差は色濃く表れる。7月27日16時30分、混合ダブルス1回戦。4つあるコートのうち、中央2つのコートで王楚欽(ワン・チューチン)と孫穎莎の中国ペアと、張本智和と早田ひなの日本ペアがそれぞれ試合を行った日のこと。 テーブル2で試合を行う日本ペアに引き続き、テーブル1の中国ペアが入場する。すると日本ペアの前に陣取っていた中国応援団が歓声を上げ、国旗が揺れる。会場の雰囲気が一気に中国応援ムードに包まれる。テーブル3と4も各国の選手がプレーしているが、会場の雰囲気は中国ホームのよう。以前、日本代表チームのあるコーチがこう語っていたことがある。

「中国は世界ランク20位以上がぞろぞろ揃っていて、各大会には全戦型の練習パートナーやトレーナー総勢60人くらいの集団で臨んでいる。その一団が会場では『加油、加油』の大合唱をはじめる。どの競技会場においても、自然と中国の応援ムードができあがっていくんです」

 もちろん応援の大きさは中国ペアが世界ランク1位だから、ということもある。実際、「孫穎莎」のボードを掲げるファンも多くいた。しかし、日本のペアも世界2位だ。ここまで応援に差がつくのは、選手の注目度という要因だけではないだろう。