この負けを4年後に 原田、メダル届かず涙―ボクシング〔五輪〕

AI要約

原田選手が試合での負けを受け入れ、次の五輪に向けての努力を誓う

過去の努力や転機、将来の目標について回顧

22歳の若さで、金メダルを目指す原田選手の情熱を感じさせる

 勝者のコールを待つ間、普段は明るい原田の顔に生気はなかった。

 想像通りの判定負け。「まだメダルに届かない選手だと痛感した。素直に受け止めたい」。得意の左ジャブと素早い動きを軸に攻めた1回を落とし、2回からは迷いが出て相手の圧力に屈した。

 午前5時25分。今も忘れない時間が、重ねた努力を物語る。始発の電車で高校に向かい、朝の練習に励んだ。早くても弁当を用意してくれた母の愛情で精をつけ、放課後はジム通い。「ほとんど遊んだ記憶がない」という日々は充実していた。

 大きな転機は、初戦で消えた昨年の世界選手権後。先輩の岡沢セオンに海外修行に誘われ、「なぜ世界で勝てないか。百聞は一見にしかずだな」と即決。競技が盛んなウズベキスタンなどでボクシング漬けの日々を送った。その後の大会で五輪出場権を獲得。大学は留年することになったが、「5年生」の肩書は誇りだと笑う。

 試合後の控室。応援に来た岡沢と共に泣いた。「次の五輪で金メダルを取り、『あの負けのおかげで今がある』と言いたい」。まだ22歳。夢と努力は続く。