菊池雄星 本拠ファンのハートわしづかみ! 移籍後初勝利ならずも熱狂の奪三振ショー

AI要約

菊池雄星投手がアストロズでの移籍後初登板初先発として2失点から立ち直り、奪三振ショーを披露。

菊池は8者連続空振り三振など見事なピッチングを見せ、本拠ファンを熱狂させた。

アストロズは先発投手補強が必要な状況で、菊池の安定感を高く評価して獲得に成功した。

 ◇ア・リーグ アストロズーレイズ(2024年8月2日 ヒューストン)

 トレードでアストロズに移籍した菊池雄星投手(33)が2日(日本時間3日)、本拠でのレイズ戦に移籍後初登板初先発。初回に2点は失ったが、その後は持ち味を存分に発揮し、本拠ファンの熱狂を呼び起こす奪三振ショーを繰り広げた。

 静寂を大歓声に変えた。初回、先頭のディアスに左中間二塁打を許すと、続く2番・カールソンに96.3マイル(約154.9キロ)直球を左翼席まで運ばれ、わずか6球で2点を失った。快投を期待した本拠ファンは静まり返ったが、菊池は自らの左腕で失われた熱を取り戻していった。

 2失点後は3番のB・ローを直球で、カブスから移籍した4番のモレルをチェンジアップで連続三振。2死から四球は出したが、6番・デルーカは中飛に仕留めて、初回の失点を2でとどめた。

 回を追うごとに調子を上げていくスタイルは新天地でも変わらなかった。2回は先頭打者を安打で塁に出しながらも併殺でしのぎ、結果的に3人で終えた。3回1死、ここからショーの幕が開く。先制本塁打を許したカールソンをスライダーで空振り三振にしとめると、続くB・ローもスライダーで2打席連続三振。5回2死、9番・ジャクソンまで実にすべて空振りでの8者連続三振。ベンチへと引き揚げる菊池の背に、本拠ファンの大声援が降り注いだ。

 メジャー6年目、3年契約最終年の今季はブルージェイズで22試合に登板して4勝9敗、防御率4・75。打線の援護が乏しく、勝ち星こそ4つにとどまっているが、開幕からローテを守り、安定した投球を続けていた。

 前回登板7月26日のレンジャーズ戦では5回途中5失点で勝敗つかず。同30日の東部時間午後6時(日本時間31日午前7時)のトレード期限が迫る中、移籍情報も流れていただけに、降板時は地元のファンから温かい拍手を浴び「3年間このチームでやってきて良かった。少し感情的になった」と語っていた。

 「安定感」を高く評価したのが、ア・リーグ西地区でマリナーズと激しい首位争いを繰り広げるアストロズだった。ア軍は現在、通算260勝のバーランダー、昨年15勝をマークしたガルシア、昨年まで2年連続2桁勝利のハビエルらが負傷者リスト(IL)入り。まずは8年連続のプレーオフ進出へ、計算できる先発投手の補強が急務だった。

 移籍初登板で本拠ファンのハートをわしづかみにする奪三振ショー。白星こそつかなかったが、期待にたがわぬ内容を示してみせた。