「自分を褒めてあげたい」33歳・鈴木聡美が号泣した日々 12年前も上回った決勝レース「自分を超えるために」【パリ五輪】

AI要約

競泳女子200メートル平泳ぎで、鈴木聡美が4位入賞を果たし、自らを賞賛する拍手を送った。

鈴木は自己記録に近いタイムでレースし、次回ロサンゼルス五輪への挑戦意欲を示唆した。

山梨学院大で長年練習を積んできた鈴木は、常に自己を超えるために驚くほどの努力を惜しまない姿勢を貫いている。

「自分を褒めてあげたい」33歳・鈴木聡美が号泣した日々 12年前も上回った決勝レース「自分を超えるために」【パリ五輪】

 ◆パリ五輪・競泳女子200メートル平泳ぎ(1日、ラデファンス・アリーナ)

 ゴールのタッチをした右手と左手で、直後に思わず拍手をしていた。自分への賛辞だった。

 女子200メートル平泳ぎの決勝。鈴木聡美は2018年以降ではベストの2分22秒54で4位となり、日本勢の競泳五輪代表では最年長入賞の快挙を成し遂げた。

 晴れやかな表情がレースの充実ぶりを物語る。「やりきったという思いが強い。自分の思い描いていた泳ぎができた。最後の50メートルもただ苦しいだけじゃない。出し切った。自分に対しても褒めてあげたい」。33歳はうなずきながら振り返った。

 前半100メートルは自己記録の2分20秒72で、銀メダルを獲得した2012年ロンドン五輪決勝のペースを上回った。速いピッチのストローク維持して、強い推進力のまま泳ぎ切ったが「目標ラップよりも1秒ずつ遅かった」と今度は首を振った。

 納得のゴール後からしばしの時を置き、ふつふつとアスリートの本能が湧き上がっていた。「やっぱり4位は悔しい」―。すぐさま「200メートル(の記録)を狙うような練習が増えてくるんだろうなと。現役続行だろうという思い」と宣言した。

 拠点とする山梨学院大で15年以上も学生以上の練習を行ってきた。強い泳ぎの土台となる体づくりは、号泣しながら取り組むほど強度が高い。それでも「自分を超えるためには誰もが驚くような練習を積まないと超えられない」と鍛錬を欲する。

 次回ロサンゼルス五輪時は37歳で「ちょっと想像がつかない」と苦笑いしたが「私は私のまま。この先も挑戦できる限りは続けていけたら」と真顔で言った。いつも周囲の想像を超えてきた不屈のスイマーの物語は続く。(パリ山田孝人)