柔道女子がメダル数史上最少の危機 高山莉加もメダル届かず「外国人の目の色も違う」

AI要約

柔道女子78キロ級の高山莉加(三井住友海上)は初の五輪で、3位決定戦で敗れてメダルを逃した。外国人選手の徹底的な対策や違ったやる気の入り方に苦戦し、悔しさを抱えながらも楽しかったと振り返った。

初戦での好調から一転、寝技に持ち込めず相手の戦術に振り回された高山。日本が得意とする展開に持ち込まれないよう外国人選手が戦術を変えてきたことに悩まされた。

女子柔道では3日連続でメダルが逃げ、個人戦最終日にはワースト記録を更新してしまう可能性がある状況。増地克之監督も外国人選手の強さを認めつつも、悔しさをにじませた。

柔道女子がメダル数史上最少の危機 高山莉加もメダル届かず「外国人の目の色も違う」

柔道女子78キロ級の高山莉加(三井住友海上)は3位決定戦でサンパイオ(ポルトガル)の背負い落としに屈し、しばらく畳に座り込んだ。29歳でたどり着いた初の五輪で、メダルには届かず。観客席を見つめ「悔しさが一番ですけど、楽しかった」と懸命に言葉を絞り出した。

初戦こそ48秒で上四方固めを決めたが、その後は得意の寝技に持ち込めなかった。3年前、この階級で浜田尚里(自衛隊)が全4試合を寝技で一本勝ちしていたこともあったのか、日本が得意とする展開に持ち込ませないよう、外国人は徹底してきた。「想像以上にみんな(寝技から)逃げてきた」とうつむいた。

女子柔道は3日連続でメダルなし。今大会はまだ、角田夏実(SBC湘南美容クリニック)の「金」と舟久保遥香(三井住友海上)の「銅」の2つで、個人戦最終日の78キロ超級の素根輝(パーク24)が表彰台に立てなければ、ワースト記録になってしまう。

前回東京大会では金4個を含む6個のメダルを獲得したが、わずか3年で世界に飲まれた。増地克之監督は「(海外勢は)日本選手の組手を切って、徹底して柔道をさせない。(組手を)切る、つかむという力が男子に近いものがある」と悔しさを押し殺した。

高山は世界選手権未経験ながら、直近の国際大会を2連勝して勢いもあったはず。「外国人の目の色も違うし、やる気の入り方も全然違った」と改めて五輪の戦いの違いを痛感していた。(大石豊佳)