「マルシャン速えな…赤子同様でした」渡辺一平、リオと異なる意味合いの6位 血へど吐く練習、たどり着いたパリ「やり切れた」

AI要約

渡辺一平が200メートル平泳ぎで六位入賞。金メダルはフランスのマルシャンが獲得。

渡辺は大舞台での完敗に悔しさを感じ、自己評価としてまだまだ成長の余地があることを実感。

過去の経験を生かし、五輪に向けて厳しい練習を積んできた渡辺は、ライバルに完敗するも、今後の展望についてははっきりせず。

「マルシャン速えな…赤子同様でした」渡辺一平、リオと異なる意味合いの6位 血へど吐く練習、たどり着いたパリ「やり切れた」

 ◆パリ五輪・競泳男子200メートル平泳ぎ(30日、ラデファンス・アリーナ)

 ぼうぜんとした。ゴール後に渡辺一平(27)は隣のレーンの花車優(24)と、しばし電光掲示板を見つめた。「速えな…」。思わずつぶやいた言葉の対象は、200メートル平泳ぎ決勝で五輪新記録となる2分5秒85で金メダルに輝いた、地元フランスのマルシャンだ。

 「水泳って難しいの一言。もう27歳で水泳玄人かと自分の中では思っていましたが、全然赤子同様でした」。自身は2分8秒83で6位入賞を果たしたが、8年ぶり2度目となる大舞台で目指していたのは表彰台のみ。完敗に悔しさだけが募る。

 初出場の2016年リオデジャネイロ五輪で6位となり、17年には当時の世界新記録も樹立。東京五輪は落選し挫折を味わったが、大きな負荷がある低酸素プールなどで、持ち前の大きな伸びのある泳ぎに磨きをかけて五輪に戻ってきた。

 「今まで血へどを吐くようなきつい練習をして努力をしてきた」と歩みを振り返る。プールサイドで過呼吸になったことも多々あった。だからこそ「今までやってきたことが五輪で全部出せたかっていうと、そんなことはない」と唇をかんだ。

 一方で「多くの経験を積んだだけにリオとは全く違う悔しさ。ただ家族らの前で頑張ってきた20年間を全て背負い、レースができたのは非常にやり切れた思い」。8年前の6位とは異なる。まだ今は次を見据えられない。

(パリ山田孝人)