「自分に勝った感覚」堀米雄斗が明かした超絶トリック成功後の感情爆発。スケートボーダーとしての苦悩も「カルチャーに憧れて好きになったので…」【パリ五輪】

AI要約

堀米雄斗がスケートボード男子ストリートで金メダルを獲得した。大逆転の97.08点を叩き出し、感情が爆発した。

堀米はオリンピック後に苦悩し、自身の在り方について改めて考えた。過去から現在までの軌跡を振り返る。

堀米は今後もスケートボードカルチャーを大事にしながら、日本スケートボード界をけん引していく意気込みを語った。

「自分に勝った感覚」堀米雄斗が明かした超絶トリック成功後の感情爆発。スケートボーダーとしての苦悩も「カルチャーに憧れて好きになったので…」【パリ五輪】

 現地7月29日、スケートボード男子ストリートで堀米雄斗が合計281.14点で東京五輪に続く金メダルを獲得した。崖っぷちの状況から迎えたトリック5回目で97.08点のベストスコアを叩き出す大逆転でのメダルだった。

 五輪王者が王者たる底力を見せつけた。ランでは1回目に89.90点、2回目に68.54点をマークした堀米。ベストトリックでは1回目に94.16点を記録したが、そのあと3回は失敗。逆転には96.98点が必要だったラストのトリックで、堀米は起死回生の大技に成功。会心の出来に普段はクールな表情を崩さない25歳が着地後はボードを蹴り出すほど吠えた。

 

 劇的な展開で五輪連覇を成し遂げた堀米は一夜明けた30日、テレビ朝日の報道番組『報道ステーション』に出演。最後の大技については「ハイリスクなトリックではあったけど悔いは残したくなかった。自分のやりたいトリックをやり続けた」と話し、着地後に感情が爆発した場面は「自分に勝った感覚」だと明かし、「オリンピックに行くだけでもギリギリだったから。技やいいラインしても点数が出ない絶望的でしたけど、何かを変えないといけないと思った」と答え、大舞台で後悔を残さないようあの大技に懸けたという。

 東京五輪後は「自分を見失う時間も多かった」と振り返り、スケートボーダーとしての在り方に苦悩した。「自分がスケボーを始めたときはオリンピックはなくて、カルチャーそのものに憧れて好きになったので。オリンピックならではの難しさもあった」と吐露した。

 さらに、意外な事実も明かした。「スケートボーダーはトレーニングをする人が少ないので、自分の感覚を信じてたところもあった。変化をすることに、すごい恐れていた」と明かし、これまでのカルチャーからアスリートとして戦う舞台への変化に戸惑ったという。「カルチャーもあるけど、オリンピックを目指す子たちと滑ると、やっぱりモチベーションも変わるので。試行錯誤しながら自分のいい状態をみつけるようになった」と話し、その少しずつの積み重ねが金メダルにつながったと振り返った。

 最後に堀米は「小さい頃、お父さんがカッコいいスケートボードのビデオを見せてくれて、そこでパークと違う難しさだったり、そこで得た経験もオリンピックの経験につながっている。カルチャーの部分に憧れて好きになった部分があるので、そこを忘れずにこれからも伝えていきたい」と意気込み、今後も日本スケートボード界をけん引する先駆者として進むことをあらためて誓った。

構成●THE DIGEST編集部