【なでしこ】「ブラジルGKは結構前に出ている。狙っていけ」決勝ゴールの谷川萌々子、父から助言

AI要約

19歳の新星谷川萌々子が30メートルロングスーパー弾でブラジルに勝利し、なでしこジャパンが前進。

谷川はPKを獲得して同点に追いつき、後にゴール前30メートルからスーパー弾を決めて勝ち越し。

なでしこジャパンは最年少19歳と最年長33歳のゴールで逆転勝ちし、1次リーグ突破へ期待が高まる。

【なでしこ】「ブラジルGKは結構前に出ている。狙っていけ」決勝ゴールの谷川萌々子、父から助言

<パリオリンピック(五輪):サッカー・ブラジル1-2日本>◇28日◇女子1次リーグC組◇パルク・デ・プランス競技場

 19歳の新星がチームを救った。サッカー女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランク7位)が、19歳MF谷川萌々子(ローセンゴード)の30メートルロングスーパー弾でブラジル(同9位)に競り勝ち、1次リーグ突破へ前進した。

 負ければ敗退危機の中、途中出場で2得点に絡む大活躍。男女通じて五輪初となる10代での得点で勝利を引き寄せた。第3戦(日本時間8月1日)のナイジェリア戦で引き分け以上で1次リーグ突破が決まる。

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 日本代表出場6試合目の19歳が大仕事をやってのけた。0-1の後半35分、ロングシュートの「飛び道具」を持つ谷川がボランチで投入された。後半追加タイム、ペナルティーエリアにしかけ相手のハンドを誘発。PKを獲得し、DF熊谷が冷静にゴール右下に蹴り込み同点に追いつく。その4分後に、目の覚めるスーパー弾が生まれた。

 相手DFのクリアミスを拾った谷川が、ゴール前30メートル付近からダイレクトで右足を振り抜いた。ボールは前に出ていた相手GKの頭上を越え、ゴール左下に吸い込まれた。男女通じて初の10代での五輪得点が、チームを救う劇的な勝ち越し弾となった。

 試合前、父栄治さんから「ブラジルのGKは結構前に出ている。どんどん狙っていけ」と連絡があった。「そのおかげで狙いを意識して入ることができた。自分が(流れを)変えてやるという強い気持ちを持っていて、いける気がする思いがあった」と話した。

 五輪前の国内合宿は、負傷で別メニュー調整が続いた。金沢での壮行試合から出場はなかった。「歩くのすらきつかった」。2戦目でようやくピッチに立ち、五輪デビュー。「スタッフ、選手が支えてくれて今の自分がある」と感謝を口にする。

 池田太監督は「(谷川は)体の強さ、ドリブル、シュートが武器でそれを生かして得点してくれた。いい準備をしてくれたからこそ出た結果」と目を細めた。遅れてきた新星が、メダル獲得への切り札になる。

 ◆年長&年少ゴール なでしこジャパンは33歳のDF熊谷と19歳のMF谷川のゴールでブラジルに逆転勝ち。それぞれ五輪日本女子の最年長、最年少ゴール記録となった。33歳での得点は96年アトランタ五輪でのMF木岡二葉(鈴与清水)の30歳を更新。19歳での得点は今大会の初戦でMF藤野がマークした20歳を塗り替えた。男子の最年長得点は68年メキシコ五輪でのFW渡辺正(八幡製鉄)で32歳、同最年少はMF久保建英が21年の東京五輪でマークした20歳1カ月。33歳の熊谷は男女通じての最年長得点となり、19歳の谷川は男女通じて初の10代でのゴールとなった。