阿部一二三“モンスター化計画”4年後のロス五輪は73キロ級に転向し2階級制覇「やってみたい」

AI要約

日本柔道選手の阿部一二三が男子66キロ級で連覇を達成し、日本柔道通算50個目の金メダルを獲得した。

阿部は悪夢のスタートから立ち直り、東京五輪から無敗で連覇を果たした。

阿部一二三は今後、野村超えを目指しており、将来的には階級を上げて2階級制覇も視野に入れている。

 ◇パリ五輪第3日 柔道(2024年7月28日 シャンドマルス・アリーナ)

 詩、やったぞ!――。男子66キロ級の阿部一二三(26、パーク24)が28日、決勝でウィリアン・リマ(24=ブラジル)を破り連覇を達成した。この勝利で日本柔道通算50個目となる金メダルとなった。日本柔道の五輪連覇は男女合わせて大野将平以来史上8人目。

 悪夢から始まった一日だった。会場に響き渡る妹の泣き叫ぶ声を聞きながら、自身の初戦となる2回戦の準備をした。動揺がないはずはない。しかし一二三は、2回戦、準々決勝と積極的な柔道を貫き2戦連続合わせ技一本で準決勝の舞台にたどり着いた。そして迎えた決勝の舞台。最後まで「阿部一二三」の柔道を貫き、東京五輪から無敗で連覇を達成した。

 公言している目標は「野村超え」となる五輪4連覇。その野望はさらに“井上尚弥=モンスター化”する可能性も。4年後のロス五輪では階級を上げて2階級制覇を達成するという気持ちを持っていると明かした一二三という男とは――。

 ☆生年月日 1997年(平9)8月9日生まれ、兵庫県出身の26歳。兵庫・神港学園高、日体大を経て20年4月からパーク24所属。家族は両親と兄、妹・詩。

 ☆柔道歴 6歳の時に兵庫少年こだま会で開始。中2は55キロ級で、中3では60キロ級で全中制覇。高校でも数々のタイトルを手にし、高2だった14年のグランドスラム東京大会を17歳で制覇。世界選手権は17、18、22、23年と4度制覇。21年東京五輪金メダル。

 ☆父考案のトレーニング 少年時代は消防士の父・浩二さんが同僚らと考案したトレーニングに励んだ。階段ラッシュやラダートレーニング、メディシンボールを使った柔道の動きを意識したトレーニングの効果もあり、無類のパワーと肩関節の柔軟性が養われた。

 ☆勝負パンツ 母・愛さんの勧めで小学区生時代から試合では赤いパンツを着用する。

 ☆モンスター化? 親交のあるプロボクシング4階級王者の井上尚弥に刺激を受け、4年後のロサンゼルス五輪では73キロ級への転向(2階級制覇)を「やってみたい。階級を上げるなら(準備に)2年は必要だが、挑戦したい気持ちはある」。