「一生、忘れない」 能登の小学生が都市対抗を観戦、始球式も

AI要約

被災した石川県の小学生39人が東京ドームで都市対抗野球大会に招待され、試合を楽しんだ。

被災地の輪島、珠洲、志賀の小学生が長期の断水や家屋損壊などの影響を受けていた。

3人が始球式に参加し、観客から温かい応援を受け、忘れられない思い出ができた。

「一生、忘れない」 能登の小学生が都市対抗を観戦、始球式も

 1月に起きた能登半島地震で被災した石川県の小学生39人が28日、東京ドーム(東京都文京区)で行われている第95回都市対抗野球大会に日本野球連盟から招待された。小学生たちはバックネット裏に近い席から試合を観戦。このうち3人は始球式も務め、社会人野球の真夏の祭典を楽しんだ。

 39人は、被害が甚大だった輪島、珠洲両市と志賀町の小学生。長期間の断水生活を強いられたり、自宅が一部損壊したりした児童もいたという。

 この日は、胸に「がんばろう能登」と書かれたそろいの黄色いTシャツを着て、第2試合の東京ガス(東京都)―明治安田(同)戦を観戦した。東京ドームに初めて来たという珠洲市立若山小6年、中川大成さん(11)は「応援団の太鼓も、お客さんたちの歓声も大きくてすごい」と都市対抗名物の華やかな応援を楽しんでいた。

 続く第3試合の三菱重工East(横浜市)―日本通運(さいたま市)戦では、志賀町立志賀小6年の稲岡陸さん(11)、輪島市立河井小5年の黒川夏凜さん(11)、珠洲市立直小6年の竹平栄太さん(11)の3人が始球式に登板。3人がグラウンドでポーズを取ると、スタンドからは激励の拍手が起きた。ボールをノーバウンドで捕手に投げた稲岡さんは「緊張したけど、いいところに投げられた。たぶん一生、忘れない」と笑顔を見せた。

 29日も東京ドームのグラウンドで野球の練習をしたり、ドーム内の野球殿堂博物館を見学したりした後、帰路に就く予定。【竹田直人】