【高校野球】加藤学園 今夏4盗塁の小室太陽主将を中心に初の決勝へ走りまくる…27日・掛川西と静岡大会準決勝

AI要約

加藤学園は機動力野球を武器に第106回全国高校野球選手権静岡大会の決勝進出を目指して準決勝に臨む。

主将の小室太陽がチームの走塁力を牽引し、春のリベンジを果たすために意気込んでいる。

試合では、加藤学園の走塁と打撃のバランスが光り、相手校を圧倒していく様子が印象的だ。

【高校野球】加藤学園 今夏4盗塁の小室太陽主将を中心に初の決勝へ走りまくる…27日・掛川西と静岡大会準決勝

 第106回全国高校野球選手権静岡大会の準決勝が27日、草薙球場で行われる。春県王者で第1シードの加藤学園は26日、同校グラウンドで約5時間の調整。主将の小室太陽中堅手(3年)を筆頭とした機動力野球で、創部初の決勝進出へ意気込んだ。対する掛川西の堀口泰徳捕手(3年)は、春の県3回戦(2●6)のリベンジに燃えていた。静岡と聖隷クリストファーも決勝(29日、草薙)進出を懸けて激突する。

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 春王者は揺るがずに機動力野球を貫いていく。加藤学園はこの日、主力組がまず走塁練習に取り組んだ。一塁走者の小室がけん制を受け、一塁に戻るスライディングで足元をいの一番に汚した。盗塁を今夏4度決めたチームの盗塁王だ。掛川西には春に勝利を収めているが「駿河総合に準々決勝でコールド勝ちしている。気を抜けない」と警戒。相手は今大会、対戦校にいまだに盗塁を一つも許していない。「盗塁ができなくても、積極的に走塁を仕掛けるのは変わらない」と力強く語った。

 チームの野球を「去年は打つ、守るだったところから今年は走る、守る。違う長所で戦っている」と胸を張る。神奈川出身で中学では全国優勝を経験するも、2年春にようやく代走要員としてベンチ入り。「最初は盗塁失敗が多かった」が、走塁に磨きをかけて新チームから中堅でスタメン入りを果たした努力家だ。米山学監督(46)は「小室の良さは技術はもちろんだが、思い切りの良さにある」と褒めた。

 持ち味が際立ったのは、23日の常葉大橘との4回戦(11〇6)だ。2―6の6回にまず1点を返した1死一、二塁。二塁走者の小室は味方が三塁に打つと同時にスタート。打球が相手のグラブをはじいた隙(記録は失策)に進塁に成功した。指揮官は「あの後相手三塁が捕ってベースを踏んだらアウト。いい走りをしていたから間一髪セーフだった」。この回で一挙6得点。「あれがこの回の全てだった」と逆転劇の立役者をたたえた。

 チームは25日の準々決勝・浜松工戦(5〇1)で、勝ち越し2ランスクイズ(記録は内野安打)、3盗塁するなど走塁のうまさが際立つが、初戦から4試合連続2ケタ安打をマーク。抜け目ない打線でも脅威を与えていく。

(伊藤 明日香)

 ◆加藤学園と掛川西の24年春3回戦VTR

 ▽加藤学園6―2掛川西 加藤学園は先発した掛川西のエース・高橋郁真(3年)から初回に2点、4回に3点を奪って3回0/35失点で打ち崩した。掛川西は4回に2点を返すも、8回に追加点を許して涙をのんだ。