阪神・佐藤輝明、V撃先制タイムリー 高らかに逆襲宣言「もっともっと熱い夏にします!」

AI要約

昨季から続いていた得点の荒れがようやく解消され、阪神が中日を打ち破って勝利した。

佐藤輝が一回に先制の右前打を放ち、後半戦の幕開けにふさわしい活躍を見せた。

開幕したサトテルの季節で、夏に強い佐藤輝を中心に連覇への道を歩み始めた阪神。

阪神・佐藤輝明、V撃先制タイムリー 高らかに逆襲宣言「もっともっと熱い夏にします!」

(セ・リーグ、阪神5-1中日、16回戦、阪神9勝5敗2分、26日、甲子園)甲子園に響いた快音が、難攻不落の小笠原を打ち砕き、一回の呪縛を解き放った。逆襲の号砲が鳴る。熱く燃える佐藤輝の季節がやってきた。

「しっかりいいスタートを切れるように心がけていきました。もっともっと熱い夏にします!」

後半戦の幕開けにふさわしい一打だ。一回2死二塁。130キロスライダーを引っ張った。鋭い打球は瞬く間に一、二塁間を抜けていく。先制の右前打は2試合連続の決勝打。「打ててよかった」。チームとしても昨季から22イニングぶりに小笠原から奪った得点だった。

解き放った負の連鎖はもう一つ。虎は6月16日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)で前川が満塁弾を放ってから、25試合連続で一回を無得点。久々の〝先制パンチ〟が打線に勢いを与えたことは間違いない。大山が続き、2点目。一回に2本の適時打は今季初だ。

「先発投手のためにももっと早い回で点を取らないといけない」

打撃の調子が上向いてきた7月、佐藤輝はチームが勝ってもこの課題を自らに言い聞かせるように唱え続けた。4番を任されるようになってからはより一層、先制攻撃の重要性を胸に刻んだ。「前半戦は投手が頑張ってくれた。後半戦は打者が」。この日は同期の村上がマウンドで懸命に腕を振ってピンチをしのぐ。「きょうもすごい粘って投げていたんで。点が取れてよかった」。前半戦の借りをかえすと誓った主砲が、己の決意を結果で示した。

流れるような初回の先制劇に岡田監督も「やっぱりコンパクトにヒットを打ちにいくということやろ」とうなずく。2試合連続のクリーンアップ全員打点と最高のスタートを切った後半戦。佐藤輝は昨季、後半戦でリーグトップの打率・321、50打点。14本塁打と夏にはめっぽう強い。

「(夏は)いいんじゃないですか。盛り上がれるんで。寒いよりは」

身を焦がすような熱気すらこの男にとっては力になる。

「しっかり打っていい夏にしたいと思います」

開幕したサトテルの季節。夏男に引っ張られた虎は連覇へ歩み始めた。(原田遼太郎)