【オールスター】広島坂倉将吾「全然実感がない」57年ぶりの偉業、球宴史上3人目の満塁弾

AI要約

全セの広島・坂倉将吾捕手(26)が球宴史上3人目の満塁アーチを放った。夏真っ盛りの球児に負けじと、懐かしの地でメモリアルアーチとなった。

坂倉の満塁本塁打は、球宴史上3人目の偉業。前打者の度会の打球やサンタナのタッチアップ停止など、緻密な状況も記憶に残る。

坂倉は神宮球場で記念すべき一発を放ち、シーズンに向けての意気込みも語った。球宴での活躍を通じ、状態を上げていく姿勢を示した。

【オールスター】広島坂倉将吾「全然実感がない」57年ぶりの偉業、球宴史上3人目の満塁弾

<マイナビオールスターゲーム2024:全セ10-16全パ>◇第2戦◇24日◇神宮

 全セの広島・坂倉将吾捕手(26)が球宴史上3人目の満塁アーチを放った。67年の大杉勝男(東映)以来。2点を追う2回2死、楽天藤井の高め直球を捉えた。自身の球宴初安打が、逆転の1発となった。

 「満塁だったので、思い切って振ろうと。いい感じで振り抜けた」。夏真っ盛りの球児に負けじと、懐かしの地でメモリアルアーチとなった。打球は夜風にも乗って、あの時と同じ方向へ。日大三2年夏の西東京大会準々決勝・昭和戦。バックスクリーンへ1発を放り込んでいた。同高1年秋から全国区の強豪の4番に座り、何度もプレーした神宮球場だった。その場所で、57年ぶりの偉業。「全然実感がない」と苦笑いだった。

 歴史的1本は球宴らしく? 球団を超えたアシストがあった。坂倉の前打者の場面。1死満塁からDeNA度会の左翼への大きな飛球は、犠牲フライには十分かと思われた。だが三塁走者のヤクルト・サンタナはタッチアップせず。ヘルメットを取り、度会に向け申し訳なさそうに頭を下げた。手を抜いた訳ではない。リーグ戦中に左足裏痛を負い、15日に出場選手登録を抹消されていた。5日巨人戦以来の実戦でもあり、無理ができなかった。

 この判断が伏線に。坂倉自身も「(サンタナが)止まってくれたので、よし行ったろうと思いました」と感謝した。ベンチに戻ると新井監督に「シーズンで打ってくれ」と言われ、タジタジ。前半戦は4本塁打にとどまった。「シーズンに入ったら、激しい争いになる。いいメンタルで迎えたい」。思い入れのある地での記念の一撃から、状態を上げていく。【大池和幸】

 ▼坂倉が2回に球宴初ヒットとなる逆転満塁弾。球宴での満塁本塁打は、63年<2>戦の榎本(大毎)67年<3>戦の大杉(東映)に次いで57年ぶり3人目。セ・リーグの選手では初で、球宴初安打が満塁弾となったのも坂倉が初めて。榎本は0-6のビハインドから、大杉は0-0から先制の1発で、逆転満塁本塁打は球宴史上初めてだ。