平幕美ノ海、4連勝で2敗をキープ「(横綱は)負けないんじゃないですか」/名古屋場所

AI要約

西前頭美ノ海が千代翔馬を下手投げで破り、7勝目を挙げる。上位陣は安定し、横綱照ノ富士は9連勝。3大関も好調を維持。

美ノ海は4連勝で7勝目を達成し、横綱照ノ富士に迫る。今場所の賜杯争いが熱くなる展開。

美ノ海は鳥取城北高出身で、師匠の木瀬親方によるとスタミナ面で課題があるが、技巧を高く評価。将来の活躍に期待がかかる。

平幕美ノ海、4連勝で2敗をキープ「(横綱は)負けないんじゃないですか」/名古屋場所

大相撲名古屋場所9日目(22日、ドルフィンズアリーナ)西前頭12枚目の美ノ海(ちゅらのうみ、31)は千代翔馬(33)を下手投げで下し、7勝目を挙げた。上位陣は安泰。横綱照ノ富士(32)は小結大栄翔(30)を上手出し投げで下し、9連勝。3大関は琴桜(26)が新小結平戸海(24)を押し出して2敗を守った。豊昇龍(25)は6勝目。かど番の貴景勝(27)は今場所初の連勝で4勝5敗とした。単独首位の照ノ富士を2敗の琴桜と美ノ海が追う。

しのぎながら、反転攻勢の機をうかがう。後退しながらも粘った美ノ海が4連勝で7勝目。平幕でただ一人2敗を守って、全勝の横綱に食らいつく。

「(横綱は)負けないんじゃないですか。まだ争ってなんていない。ぼくが全勝で相手が2敗だったらと思うけど、強い方が全勝なんだから」

千代翔馬に上手を与えて寄り立てられた。得意の左下手が命綱。下手投げで体を入れ替え、外掛けを耐えながら、腰に乗せるような下手投げで転がした。9日目終了時点で首位と後続に3差がついた例はなく、大関琴桜と2差を守って賜杯争いの興味をつなぎとめる。

照ノ富士とは同じ強豪の鳥取城北高出身。2歳違いの美ノ海が後輩にあたる。入幕5場所目。7日目まで白星が先行しているケースが今場所を含め4場所もあるが、8日目以降に負けが込み、いずれも五分以下と失速してしまう。

師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は「15日間闘えるスタミナがない」とするが、頭の位置や脇の締め方などの技巧を評価する。さらに、直近2場所は110年ぶりとなる新入幕優勝を飾った尊富士、ちょんまげ姿の大の里が史上最速記録で賜杯を抱いた現状を踏まえて「(美ノ海も)どうなるか。楽しみだ」。

沖縄・うるま市出身。故郷の観光スポットに「美ら海水族館」があり、しこ名を「ちゅら」と読まれることも多い。文字通り美しいの意味だが、「ちゅら」は「枕草子」や「徒然草」にも出てくる古語の「清ら」が語源で気品や尊さを伴い、沖縄では「き」がなまって「ちゅら」となった。176センチ、143キロ。小兵でも、逃げ隠れしない。清く、美しい取り口で勝負する。(奥村展也)