名門大卒の異色Jリーガーが五輪へ…日本代表に選出歴、“文武両道”MFは「考え方が大人」

AI要約

川﨑颯太はJ1で活躍しながらも、立命館大学を卒業した文武両道の選手である。

彼は自立心と向上心を持ち、進学校である立命館宇治高校で勉学にも力を入れながらプレーし、文武両道を追求した。

川﨑はプロ4年目でキャプテンという大役を担い、指揮官からの信頼も厚い選手である。

名門大卒の異色Jリーガーが五輪へ…日本代表に選出歴、“文武両道”MFは「考え方が大人」

 大岩剛監督率いるU-23日本代表は、今夏のパリ五輪で1968年メキシコ五輪以来、56年ぶりのメダル獲得を狙う。4位でメダルにあと一歩届かなかった東京五輪から3年、希望を託された大岩ジャパンの選ばれし18名のキャラクターを紐解くべく、各選手の「肖像」に迫る。

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 学業優秀、文武両道。川﨑颯太はJ1で躍動する一方で、今年3月に名門・立命館大学を卒業。留年せずストレートで卒業し、大卒としての肩書を持っている。

 広い視野と多彩なパスで攻撃のリズムを作るだけではなく、豊富な運動量と的確な読みを駆使してボール奪取面でも非常に高い能力を発揮できる。攻守の切り替えにおいて重要な役割を果たし、献身性と創造性を兼ね揃えたセントラルミッドフィルダーだ。

 22歳の川﨑は山梨県出身。小学生から中学生にかけてヴァンフォーレ甲府のアカデミーでその才を磨いていた。だが高校進学時に大きな決断を下す。県外に出て自分を磨くだけではなく、勉強も継続して行える環境を望んだ。その条件に合致していたのが、京都U-18だった。

 京都U-18はクラブと京セラ、学校法人立命館が連携して、真の文武両道を兼ね揃えた世界的トップアスリートの育成を目指すスカラーアスリートプロジェクトという育成プログラムを行っている。京都U-18でプレーしながら、進学校である立命館宇治高校に通って勉学にも力を入れる。トップ昇格を目指すだけではなく、立命館大学の進学も視野に入れて文武両道に励む。この理念に賛同し、彼は山梨を離れて単身京都にやってきた。

 高い自立心と自律する力を持っていた川﨑は、この整った環境に甘えることなく責任感と向上心を持って取り組んだ。高校3年間を通じて頭角を現し、最高学年を迎えるとチームのキャプテンを任され、さらにU-18日本代表に選出。ここからコンスタントに年代別代表に選ばれるようになった。

 2020年にトップ昇格すると、同時に立命館大学産業社会学部に進学。ルーキーイヤーのリーグ後半からボランチとしてコンスタントに出番を掴み、秋以降はレギュラーの座を掴んだ。2年目以降はその波のない安定したプレーと攻守の要としてリーダーシップを発揮できる能力をフルに発揮し、チームに必要不可欠な核としてチームのJ1昇格と残留に大きく貢献をし続けている。

「颯太はしっかりと物事を考えられて、学ぼうとする姿勢を示せる選手。若いけど考え方が大人で、自分だけではなく周りのことをしっかりと考えながらの言動ができる。プレー面でもボールが奪えるし、運べるし、組み立てられる。本当に素晴らしい選手だと思います」

 川﨑がプロ2年目の2021年に就任した曹貴裁監督がこう評したように、指揮官からの絶大な信頼を得た彼は、プロ4年目の昨季からキャプテンという大役を担うことになった。