“プロの道”を切り開いた思い出の舞台で2位 43歳のJ・ローズが今季2度目のメジャートップ10入り

AI要約

1998年の全英オープンでアマチュアとして4位に入ったジャスティン・ローズの活躍や苦難を振り返る。

ロイヤルトゥルーンGCでのプレーを通じて、最後の最後までザンダー・シェウフェレとの戦いに熱い展開が続く。

ローズはプロ転向後に苦しい時期を経験しつつも、メジャータイトル獲得やリオ五輪金メダル獲得など多くの偉業を成し遂げている。

“プロの道”を切り開いた思い出の舞台で2位 43歳のJ・ローズが今季2度目のメジャートップ10入り

<全英オープン 最終日◇21日◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385ヤード・パー71>

1998年の「全英オープン」に17歳のアマチュアとして出場し、4位で終え若くして注目を集めたジャスティン・ローズ(イングランド)。同年にはプロ転向と、プロの道を切り開いた思い出の大会をトータル7アンダー・2位タイで終えた。「きょうは本当に思い通りのプレーができた」と5バーディ・1ボギーの「67」のラウンドに満足度も高い。

この日は朝から強い風が吹き、アウトとインで風向きの変わるロイヤルトゥルーンはさらに難易度を増した。「多くの難しいことを上手くこなせた」と、その状況のなか、ティショットでフェアウェイを捉えたのは14ホール中11回、パーオンは14ホールで成功と風に応じたショット力でスコアを伸ばした。

一時は首位に並んでいたが、「バックナインの中盤、ザンダーが調子を上げてきた。それから急にリードが広がった」。同組でプレーし優勝したザンダー・シェウフェレ(米国)が13番、14番、16番で終盤にかけてバーディを量産。差は一気に3打まで広がった。最終18番ではローズが約4.5メートルのパットを沈めてバーディフィニッシュ。最後の最後に2打差に縮めてホールアウトすると、ザンダーの最後のパットよりも大きな歓声と拍手を浴びた。

ローズは、プロ転向後21試合連続予選落ちを喫するなど苦しい時期もあった。DPワールド(欧州)ツアーの初優勝までに約4年、PGAツアー初優勝までには約12年かかった。しかし、その後はコンスタントに勝利を積み重ね、13年には「全米オープン」で初のメジャー制覇を成し遂げている。

16年のリオ五輪ではヘンリック・ステンソン、マット・クーチャーとの激闘を制し、金メダルに輝いた。17年は米ツアーでの勝利こそなかったものの、トップ10入りが8度、賞金ランクは9位にランクインしている。今季はこれが17試合目で、最高位は「全米プロゴルフ選手権」の6位タイだった。

「今年の2つのメジャー大会、ゴルフ界最強のフィールド、この2週間は僕にとって最高の期間だった」。今年はメジャー2試合でトップ10入り。43歳の大ベテランが思い入れのある大会で、充実した一週間を過ごした。(文・高木彩音)