2度の『9』で「苦しかった、誰が見ても…」 岩崎亜久竜は心痛の『91』で予選敗退

AI要約

岩崎亜久竜が全英オープンの2日目に苦戦し、トータルで23オーバーの最下位に転落。強風やショットの不調に苦しみながらも試合に挑んだ姿が描かれている。

岩崎亜久竜は自身の準備不足を痛感し、強い選手との差を感じる。風の中でもアンダーパーを出す選手たちとの違いを実感した。

岩崎亜久竜は苦しい2日間だったが、将来再びこの舞台に立つことを強く願い、苦い経験を次の日本ツアーに生かしたいと語った。

2度の『9』で「苦しかった、誰が見ても…」 岩崎亜久竜は心痛の『91』で予選敗退

<全英オープン 2日目◇19日◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385ヤード・パー71>

初めて立ったメジャーの舞台。昨年の「日本オープン」覇者の岩崎亜久竜は3オーバー・69位タイで迎えた2日目だったが、「きょうは苦しかった。誰が見ても…」と今にも涙がこぼれそうな表情で振り返った。

「ショットが本当におかしくて、もうコントロールできなくて…」。出だしの1番はパー発進だったが、それもティショットが右のブッシュに飛び、さらに2打目をグリーン左に外し、3メートルに寄せなんとかワンパットで沈めるナイスパーセーブだった。2番パー4で今度はティショットが右のブッシュへ。2打目はポットバンカーへ入り、アゴの高いバンカーから約3.5メートルにつけるも外してボギーが来てしまった。

ショットの不安が拭えないなか、7番、9番、10番とボギーの連鎖が止まらない。そして、ここからもさらに苦しい時間が続くことになる。12番はティショットを右のブッシュに入れると、ここから上手く打ち切れず約50ヤード先のラフで止まる。3打目をグリーン左前のバンカーに入れると、ここからは出すだけ。32ヤードのアプローチから2バットのダブルボギーとしてしまう。

13番のティショットのシーンは、こう振り返る。「ずっと“気持ち悪い感じ”で抑えてたけど、ここが左からの風。背中から来るのがほんとに気持ち悪くて。抑えきれず…」。右のOB方向へと飛んだ。打ち直しの4打目はさらに右へ行き、6打目はラフで耐えた。7打目はグリーン奥にこぼれ、13ヤードのアプローチを90センチに寄せてワンパット。「(頭のなかが)真っ白…しんどかったです」。パー4で『9』を叩いた。

悪夢はまだ覚めない。ティショットをグリーン左のバンカーに入れた次の14番は「上がれる気がしなかった…」というほどだ。「ギリギリ(バンカーから)出せるか出せないかだったけど(ボールが)戻ってきて、足跡に入った」。足元に戻ってきた球は、今度は前方に出すところがなく、仕方なく後方へ。だが「沈んでるから球が強く出ちゃって」と、予想外に別のバンカーに飛んでいった。

「また打てないところで、後ろに出すしかなくて…。でも出せなくて、横に出してアプローチして2パット」。このパー3のスコアも『9』。ティショットをロストした最終18番もトリプルボギーでフィニッシュ。気づいたらトータル23オーバーで、最下位の154位まで転げ落ちていた。

「自分の準備不足をすごい感じた」というのが、この2日間の感想だ。「この風があるなかでも、上手い選手はアンダーで回っている。本当にすごい差を感じた」。目を開けることさえ辛いほどの強風のなかでも、10人はアンダーパーで週末を迎えるが、こういう部分に違いを見出す。

消えることのない苦い記憶だが、それを帰国後すぐに戦う日本ツアーにつなげていきたい。また来年“この舞台に立ちたい”。そう強く願い、コースを後にした。(文・高木彩音)