”気まぐれ”な幸運の女神を味方につけたアントネッリが圧勝。セーフティカー2度の乱戦を制す。宮田莉朋8位入賞|FIA F2ハンガロリンク フィーチャーレース
FIA F2の第8ラウンド、ハンガロリンク戦のフィーチャーレースでアントネッリが初優勝。宮田莉朋も8位入賞。
レース中には、スタート前のトラブルやピットストップの戦略が影響を及ぼした。
アントネッリがソフトタイヤでリードを広げ、最終的に12.5秒の差で優勝。宮田莉朋はバルセロナ以来の入賞。
FIA F2の第8ラウンド、ハンガロリンク戦のフィーチャーレースが行なわれ、アンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ)がF2フィーチャーレース初優勝を手にした。宮田莉朋(ローディン)も8位入賞を果たした。
今回のレースは、スタート前から波乱があった。3番グリッドからスタートするはずだったアイザック・ハジャー(カンポス)は、ピットレーン出口のクローズ時間までにコースインすることができず、ピットレーンからのスタートを余儀なくされてしまった。チームとしては痛い失態だ。
ポールポジションからスタートしたポール・アーロン(ハイテック)は、蹴り出しが悪かっただけでなく、ターン1のブレーキングで激しくホイールロック。オーバーランしてしまう。代わって5番手スタートのヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)が首位に浮上し、エンツォ・フィッティパルディ(VAR)が2番手となった。
マルタンスとフィッティパルディはレース序盤から激しいバトルを展開。その後方ではインヴィクタのガブリエル・ボルトレトが冷静に隙を窺った。
先頭の3台はソフトタイヤを装着。4番手ゼイン・マローニ(ローディン)や5番手アントネッリらはハードタイヤを履いてのスタートだった。
6周目にアントネッリはフィッティパルディを抜いて4番手に浮上し、レースを有利に進めかけたように見えたその翌周のターン2で、アーロンがマローニに追突する事故が発生。2台がコース上に停まったことで、セーフティカー出動が宣言された。このタイミングを好機と見たソフトタイヤ装着勢は、早々にピットイン。ハードタイヤに履き替えた。
11周目からレース再開。まだピットストップを行なっていないアントネッリが先頭で、後続に対してリードを広げていった。しかし序盤にセーフティカーが出たことで、厳しいレース展開になったのは言うまでもない。一方、タイヤ交換義務を消化した中での最上位はマルタンスで、4番手だった。
マルタンスは新しいタイヤであることを活かして、前を行くマシンを次々にオーバーテイク。ただ2番手に上がった時には、アントネッリが6秒前方まで逃げていた。
22周目、アマウリー・コルディール(ハイテック)がターン4で大クラッシュし、セーフティカーが出動。ここでまだタイヤ交換義務を消化していなかったドライバーたちが一気にピットへ傾れ込み、ソフトタイヤに交換した。
それまで先頭を走っていたアントネッリは、5番手でコースに復帰。不運のピットレーンスタートとなったハジャーも、10番手でレース最終局面を迎えた。
27周目からレース再開。残り11周の戦いの火蓋が切られた。
アントネッリは新しいソフトタイヤを活かして、すぐにデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)を抜いて4番手に浮上。続いてフィッティパルディとボルトレトも簡単に料理した。
そしてアントネッリは、29周目のターン1でマルタンスもオーバーテイク。首位に返り咲いた。
首位に立ったアントネッリはマルタンスに対して1周で3秒のリードを築き、以降もその差を広げていった。
結局アントネッリは後続に12.5秒のリードを築き、トップチェッカー。F2フィーチャーレース初優勝を手にした。2位にはマルタンス、3位には最終ラップでボルトレトをオーバーテイクしたリチャード・フェルシュホー(トライデント)が入った。
宮田莉朋(ローディン)は、勝ったアントネッリと同じ戦略を採ったことが功を奏し、8番手でフィニッシュ。バルセロナラウンド以来の入賞を手にした。