深刻なペレスの不振は「部分的には我々のせいだ」とレッドブルF1技術首脳【コメントのツウな読み方】

AI要約

2024年F1第13戦ハンガリーGPの予選でペレスが単独クラッシュしQ1落ち。

レッドブルのテクニカル・ディレクターがペレスの不調に言及し、問題の複雑さを説明。

ペレスのパフォーマンス低下の原因や解決策について考察。

深刻なペレスの不振は「部分的には我々のせいだ」とレッドブルF1技術首脳【コメントのツウな読み方】

 2024年F1第13戦ハンガリーGPの予選でセルジオ・ペレス(レッドブル)は単独クラッシュを喫し、今季4回目のQ1落ちを喫した。

 予選前日に行われたFIA主催のチーム代表記者会見において、レッドブルのテクニカル・ディレクターを務めるピエール・ワシェは、深刻なスランプからの出口が見えないペレスの現状について、記者たちからの質問に答えるかたちでいくつかの興味深い発言をしていた。

Q:チェコ(ペレスの愛称)は過去6戦で、わずか15ポイントしか獲得できていません。最近のレースで彼がこれほど苦戦しているのは、なぜだと思いますか?

「非常に厄介な問題だが、部分的には我々(技術陣)のせいだと思っている。チェコがクルマの潜在能力を引き出せるよう手助けするのも、我々の仕事の一部だしね」と、ワシェ。

「彼からは常に技術フィードバックを受けて、できる限りのサポートをしている。重要なのは、チェコ自身がクルマのなかでどう感じているかということだしね」

 技術的な質問にはいつも真摯かつ明快に答えてくれるワシェだが、ドライバーの不調に関してはどうしても歯切れが悪くなる。とはいえ原因の一部が「我々(技術陣)のせいだと思っている」というのは、注目すべきコメントだった。

Q:つまりチェコはクルマに自信が持てていない?

「私はドライバーではないので何とも言えないが、クルマの反応が彼好みではないようだね。そこはこちらで対処しなければならないことだ」

Q:シーズン前半の6戦に比べると、この6戦でのチェコは一気にパフォーマンスが悪化しています。その間に、クルマにはどんな変化があったのか? そしてチェコが再び実力を発揮できるために、技術陣ができることは何でしょう?

「われわれもクルマの変化が、不調の原因のひとつだと考えている。ただ、たとえば『クルマのこの部分が原因』と特定するのは非常に難しいことだ。一方で開発を進めれば進めるほど、挙動がトリッキーになっていくのも確かだ。それはマックス(フェルスタッペン)も指摘していることだしね。ただマックスと比べて、チェコの問題がどこにあるのか​​、正確にはわからない」

 今季は特に顕著だが、シーズンが進むにつれてパフォーマンスが落ちて行き、フェルスタッペンとの差が開いていく現象は、レッドブル加入以来のペレスのパターンだ。それは技術視点では、「開発を進めれば進めるほど、挙動がトリッキーになっていく」からというのが、ワシェの見方だった。

 マクラーレンやメルセデスに急速に追い上げられている今季は、レッドブルの車体開発がさらに突っ込んだものになっていると想像する。フェルスタッペンはそれでも何とか対応し、結果も出している。しかしペレスの手には余り、それがさらにドライビングへの自信をなくしているということか。

 いずれにしても今回のクラッシュは、サマーブレイク中の途中解雇も噂されるペレスにとっては、本人も言うとおり「やるべきでなかったし、痛い」ミスだった。

[オートスポーツweb 2024年07月21日]