東京五輪のPR映像、覚えてる?…“スクランブル交差点で開脚ジャンプ”の体操女子高生・土橋ココ(24歳)の今「渋谷に行くのも初めてだったんです」

AI要約

8年前に東京五輪のアイコンとなった女子高生、土橋ココが現在24歳で活躍中。

彼女は体操クラブのダンスインストラクターとして働き、安倍元首相がマリオとして出演した映像にも登場。

映像の出演者に選ばれた理由など、彼女の出演秘話に迫る。

東京五輪のPR映像、覚えてる?…“スクランブル交差点で開脚ジャンプ”の体操女子高生・土橋ココ(24歳)の今「渋谷に行くのも初めてだったんです」

 酷暑の中で、パリ五輪の幕が上がろうとしている。思い出されるのは、コロナ禍に翻弄された3年前の東京五輪だ。その幕開けとなったのは、2016年リオ五輪閉会式での「フラッグハンドオーバーセレモニー」。故・安倍晋三首相(当時)がマリオ姿で出演するなど、喝采を呼んだプロモーション映像は、ひとりの女子高生が渋谷のスクランブル交差点で開脚ジャンプするシーンから始まっていた。あれから8年――多くの人の記憶に残る彼女は、いまどうしているのだろうか? 《NumberWebインタビュー全3回の1回目/つづきを読む》

 あの時の女子高生は今、24歳になっていた。

 今年3月に就職したという姫路市の体操クラブ『おさるの森』で、ダンス教室などのインストラクターを務めている。

「名刺がまだないんです」と申し訳なさそうに言うが、彫りの深い顔立ちと個性的な名前は、一度聞けば忘れられないインパクトがあった。

土橋(どばし)ココ。 彼女は8年前、一夜にして東京五輪のアイコンの一人となった。

 2016年8月22日、リオ五輪の閉会式で流れた映像を覚えている人は少なくないだろう。次回開催地である東京に、五輪・パラリンピック旗を引き継ぐ「フラッグハンドオーバーセレモニー」。日本のクリエーター陣が総力を挙げて作りあげた映像は、まさに彼女の後ろ姿から始まっていた。

 早朝の渋谷、スクランブル交差点の信号が青に変わると、女子高生がイヤホンを外し、力強く一歩を踏み出す。側転からバク転、後方一回半ひねりと、制服姿で軽やかに跳んで見せた。

 映像はその後、北島康介さんや高橋尚子さんらレジェンドアスリートが加わり、キャプテン翼やドラえもんらも登場して、東京大会への期待値を高めた。最後はマリオに扮した安倍元首相が土管の中から現れ、スタジアムの観客から喝采を浴びたのは周知の通りだ。

 彼女はあの日、自身が出演した映像を、家族らと共に実家のテレビで見たという。

「生中継は午前中だったので、学校から帰ってきて夜にビデオで見ました。安倍マリオもそうやし、キティちゃんとかもいて、お父さんも『すごいなあ』って。冒頭に私が出てくるっていうのは事前に聞いていたんですけど、実際に見たらほんまに最初で! びっくりしましたね」

 そもそも、なぜ彼女が映像の出演者に選ばれたのか。もちろん、ただの女子高生ではなかったからだ。