ダルビッシュ有「僕は子どもたちに野球を教えない」その深い理由に栗山英樹氏も納得

AI要約

テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』にて、ダルビッシュ有と栗山英樹氏が日本球界の現状、未来、サイエンスとコーチの関係について対談。

ダルビッシュは科学を自身の投球に活用し、客観的なデータと感覚を照らし合わせて改善点を見つけることを説明。

日本の野球界は科学の活用が進み、コーチとアナリストとの連携が大切視されている様子。

ダルビッシュ有「僕は子どもたちに野球を教えない」その深い理由に栗山英樹氏も納得

テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、2023年のWBCで世界一に導いたチームの大黒柱・ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)と指揮官・栗山英樹氏(現日本ハム チーフ・ベースボール・オフィサー)が対談。

日本球界の現状と未来について、日本人メジャーリーガー、野球と科学、指導者の役割など、多岐に渡るテーマで語り尽くした。

シーズン開幕前に行われたこの対談の模様を、テレ朝POSTでは2回に分けて紹介する(前後編の後編)。

栗山:「実は今回、サイエンス(科学)とコーチの関係がひとつのテーマ。ダルさんはサイエンスをどういう風に使っていますか?」

ダルビッシュ:「科学は自分がやっていることの客観的な部分を出してくれるので、そこをまず理解して、自分の感覚と照らし合わせながら課題を見つけて、改善点も出していくという形ですね。感覚じゃなくて、客観的な科学的な根拠をもとに、自分の課題と改善点を出していく日々です」

栗山:「ということは、自分がこういうボール投げよう、ボールの回転をこうしようと考えた時に、自分の感覚と比べて(データは)どういう風になっているか、すり合わせるという感じですか?」

ダルビッシュ:「そういうのもやりますし、それ以外の部分もいろんな形で(科学は)使えます」

栗山:「なるほど。これからの野球は、まず科学がベースになって、人の目がある、そんな感じになっていきそうでしょうか?」

ダルビッシュ:「今の日本球界から日本のピッチャーたちがこれだけのお金でこっち(メジャーに)に来ていることを考えると、やっぱり必然的に科学のほうに向かっていくのかなと思いますね」

栗山:「そうですか。コーチとアナリスト(データの専門家)がいるじゃないですか。そこは、メジャーの場合比較的うまくいったりしているんですか? ぶつかったりとかは?」

ダルビッシュ:「ぶつからないですね。やっぱりみんながお互いの仕事をちゃんと尊敬し合って、踏み入らないところは踏み入らないので、割とうまくいっていると思います。例えばコーチが『自分は現役ではこうだった。お前らは野球を知らん』という風になってしまうとおかしくなるんですけど、こっちは割とそうじゃないので」

栗山:「コーチもアナリストたちと意見交換をしながら、選手にこう言おうと共通認識を持ってやっているということですか?」

ダルビッシュ:「そうですね。やっぱりそこに関してはコーチもスペシャリストではないのを理解しているので、スペシャリストの話をちゃんと聞いて話をするという形です」

栗山:「日本はまだどうしても経験で教える部分が残っています。もちろん経験は大事ですが、今の話を聞くと、『みんなバランス取ってくださいよ』という日本へのメッセージにも聞こえます」