2人の兄見守る中、聖光学院相手に強気の93球 日大東北の奈須投手

AI要約

奈須優輝投手は兄たちに励まされながら、力投する姿が光った。

身長体重の恵まれた投手が、スライダーの改良で自信を持って夏の大会に臨む。

兄からのアドバイスを生かし、力強いピッチングを見せるも、チームは敗れる。

2人の兄見守る中、聖光学院相手に強気の93球 日大東北の奈須投手

 (17日、第106回全国高校野球選手権福島大会 聖光学院6―0日大東北)

 日大東北のエース奈須優輝投手(3年)はスタンドにいる2人の兄に見守られ、マウンドにあがった。

 長男・真優(まひろ)さん(22)、次男・優翔(ゆうと)さん(19)を追って小学1年からソフトボールを始めた。優翔さんは3年前、日大東北の正捕手として夏の甲子園に出場。応援席にいた奈須投手は、三塁打や盗塁阻止と活躍する兄の姿を目にし、同じ学校を選んだ。

 186センチ95キロと3兄弟で一番恵まれた体格。もともと長身を生かした上手投げだったが、スライダーの曲がりに納得がいかず、5月の春の県大会後に思い切って腕の位置を下げた。するとスライダーの曲がり幅が大きくなり、球威もアップ。自信を持って最後の夏に臨んだ。

 13日の初戦後、試合を見た優翔さんから「ランナーを背負った時に体が開いているぞ。気をつけろ」と助言をもらった。この日は走者をためても体は開かず、変化球を低めに集め、打たせて取る力投を見せた。

 7回93球を投げてマウンドを降りた。試合は負けたが、「兄たちには強気のピッチングを見せられた」。強豪との一戦を終え、悔いのない表情で球場を去った。(酒本友紀子)