高橋藍がいま描く“男子バレー最高の結末”とは?「家族のように仲がいいチームなので…」「祐希さんとの関係も変わった」パリ出発前に明かした本音

AI要約

高橋藍選手が左足首の怪我を抱えながらも、無理をせずにパリ五輪に向けて準備を進めている。

3年間の成長を感じつつも、限界をつくりたくないという強い意欲を持ち、チーム内でも自分の存在感を示すようになっている。

選手同士のコミュニケーションが増え、信頼関係が深まりつつある中で、チームの一員としての認識や責任を強く感じている。

高橋藍がいま描く“男子バレー最高の結末”とは?「家族のように仲がいいチームなので…」「祐希さんとの関係も変わった」パリ出発前に明かした本音

 東京五輪に続き、自身2度目のオリンピック出場となる高橋藍(22歳)。52年ぶりのメダル獲得が期待されるパリ大会に向けて意気込みを語った。3年間での変化や、メンバー選考についても率直な思いを明かしている。【聞き手/田中夕子】

――いよいよパリ五輪が開幕します。日本代表への期待が寄せられる中、心配されるのが高橋選手の左足首の状態です。現状はどうですか? 

 今年1月にイタリアで左足首を捻挫をした時の痛みが、バレーボールネーションズリーグ(以下、VNL)のカナダ戦(6月18日)でぶり返してしまった。動く時に痛みが出るので力が入らず、徐々にパフォーマンスが下がっているのが自分でもわかりました。

(フィリップ・)ブラン監督もわかっていたので「どうする?」とその時点で問われたのですが、1セット目を落として2セット目を取り返して、ここから、という状況だったので僕自身もコートを離れたくなかった。自分で「やれる」と答えました。でも、その時点でだいぶ痛みが出ていたし、これは少し長引くかもしれない、ということもわかっていた。VNLのファイナルラウンドに出る選択肢もありましたが、僕もチームもパリオリンピックに懸けてここまでやってきた中、ここで無理して出る必要はないだろう、と。

 痛くても無理をしてやればいいというわけではなく、どこに照準を合わせて戦うかというのはイタリアでの経験やこの3年間で学び、成長できた部分でもあるので、パリオリンピック、そしてその先もバレーボールをやり続けて行くためにも今は無理する時ではないと判断しました。それぐらい、この3年間はオリンピックのために、すべてを懸けてきましたから。

――初出場の東京五輪の時とは明らかに立ち位置も言動も違います。「すべてを懸けてきた」と言い切れる3年間、満足するレベルに近づいている実感はありますか? 

 かなりレベルアップできたとは感じていますが、限界はつくりたくない。ただ、最年少で出場して、引っ張ってもらうだけだった東京オリンピックと比べれば、確実に戦うための準備ができた自信はあります。石川(祐希)選手、西田(有志)選手、関田(誠大)選手という軸・柱がある中、自分もこのチームで軸になれればもっと強くなれると思ったし、その時間はたった3年しかない。どの試合でも結果を出して成長して、自信をつけていくことがパリオリンピックにつながると思っていたし、そのためには自分を主張しないといけない。プレーもメンタルも、成長できたと思います。

――自分はこうしたい、と表現できるようになった印象は確かに強くあります。

 そうですね。もともと生意気ですから(笑)。

――確かに(笑)

 いや、そこは否定して下さいよ(笑)。でも間違いないですね。たとえば、祐希さんとの関係にしても、東京オリンピックの時から仲良くさせてもらってきましたけど、イタリアに行ってからコミュニケーションを取る機会や量が圧倒的に増えた。お互いに共感、共有し合えることがめちゃめちゃ多かったですし、僕が(イタリアに来て)1年目でも2年目でも差をつけず、対等に話をしてくれた。

 僕の中では石川選手から一人の選手として頼られている、信頼されていると感じたので、だからこそ僕からも素直に「今こうですよね」とか、自分の主張も含めてよりいろんな話ができるようになった。冗談も含めながらいろいろなことを言える関係性になったのは実感しています。

――傍目にもいい関係性であることは伝わりますよ。

 僕、何かあればツッコみますからね。キャプテンをネタにしますからやっぱり生意気なのかもしれないです(笑)。