春のリベンジはできなかったけど 進学校の「裏の3番打者」が意地

AI要約

修文学院と滝高校の対戦を通じて、滝高校がリベンジの機会に燃え、予想外の展開となった試合が描かれている。

滝高校の伊藤駿汰選手が原監督から期待された「裏の3番打者」として成長し、チームを引っ張る活躍を見せる。

進学や受験に向けても野球で培った精神を活かし、新たな挑戦に向かう3年生の姿が描かれている。

春のリベンジはできなかったけど 進学校の「裏の3番打者」が意地

 (13日、第106回全国高校野球選手権愛知大会2回戦 修文学院2―1滝)

 6月の抽選会で対戦相手が決まると滝は燃えた。「リベンジできる」。相手は、春の県大会で7点差で敗れた修文学院。作戦を練り、工夫をした上で試合に臨んだ。

 1点を追う五回、打席には7番打者の伊藤駿汰選手(3年)。仲間からはマイペースと評されるが、原裕人監督からは「裏の3番打者」を託され、ひとり気持ちを固めていた。はじいた球は、右翼手の頭を越えて適時三塁打で同点に。

 「裏の3番」を指名されたのは、1カ月ほど前。原監督は、5番打者からは、また先頭で始まる気持ちで臨むよう選手らに伝えた。「お前がキーマンになるぞ」と伊藤選手に言葉を贈った。

 滝は練習時間が極端に短い。平日は45分間しか練習できない日もある。それでも量よりも質をモットーに練習してきた。

 マウンドに集まると、跳びはねてから解散するのも工夫の一つ。気持ちを落ち着かせるためにとり入れた。対策や工夫はハマり、失点は2にとどめたが、一歩及ばなかった。

 3年生は東大や医学部などの進学も視野に、新たな戦いに挑む。伊藤選手は「野球で学んだ『やり切ること』を生かして受験も頑張りたい」。(渡辺杏果)