【広島】秋山翔吾が試合に出続ける理由 休養打診も固辞「執着心みたいなものが今は薄くなっている」

AI要約

秋山翔吾外野手が勝負の瞬間に決勝の3ランホームランを放ち、広島の連敗を4で止める

36歳でプロ14年目を迎える秋山は、常にベテランとしての意識を持ち続け、レギュラーの座を死守する決意を示す

チームの勝利を重要視し、優勝するチームのレギュラーであることを誇りとする秋山は、若手に居場所を譲る考えはない

【広島】秋山翔吾が試合に出続ける理由 休養打診も固辞「執着心みたいなものが今は薄くなっている」

 ベテランの技が光った。広島は12日のヤクルト戦(マツダ)で4―3と競り勝ち、連敗を4でストップ。セ2位に浮上した。勝利の立役者は値千金弾を放った秋山翔吾外野手(36)だ。

 3―3で迎えた5回、先頭で打席に立つと相手先発・石川の内角スライダーを技ありのひと振りで捉え、右翼席に決勝の3号ソロ。試合後は「今日のホームランに関しては本当にたまたま。いい反応で、たまたまいいポイントで打てた」と謙遜しつつ振り返った。

 昨オフに右ヒザ手術を行って迎えたプロ14年目の今季。昨季までと同様にレギュラーの座を確保することは無論、西武時代から慣れ親しんだ「1番・中堅」にも強いこだわりを持ち続けている。だからこそ簡単には休まない。これまでも首脳陣から休養を打診されても「元気です」と返し、やんわりとていねいに断り続けている。

 秋山本人は試合に出続ける意義について、こう打ち明ける。

「『この人って何があっても、絶対外されないよね?』という執着心みたいなものが、今は薄くなっているなと感じます。昔、僕が若いころはもっとありました。『稼ぐ』『打つ』『絶対に獲る』『奪う』とか、そう言った乱暴な言葉をもうちょっと、主張して出していいんじゃないかと。プロなんだから。アマだったら、別にそこまでしなくてもいいけど、プロってそれが追求できる人の集団。その集団のなかで、『どのくらいやれるんだ?』っていう世界ですから」

 チームで年長者の部類に属していることは、自覚している。だからこそ「どんなチームで出ているか」にも意味があるという。端的に言えば、それは「勝てる(優勝できる)チームのレギュラーであること」だ。

「個人としては、もちろん、優勝するために外せないだけの数字、外せない理由を作っておくこと。チームが5、6位でベテランが、ずっと1年間出ているのが。本当に必要かっていうと、それは分からない。勝つためのベテランなんで。ベテランがいて、勝っていることが大事。順位下がって『お客さんを呼べるから』みたいな、何となくの理由では、僕はいる意味がないと思っています。チームが勝っていること、勝っているチームのレギュラーじゃないと、僕は多分、不要になってくると思うので」

 高い職業意識と、それに見合うだけのパフォーマンスを披露し続けること。プロとしての矜持があふれる36歳の赤ヘルの切り込み隊長は、まだまだ若手に「居場所」を譲る気はさらさらない。