「そんな振ってるつもりないんですけど…」 蝉川泰果のフルスイングを支える連夜のジム通い

AI要約

2024年の蝉川泰果は、アマチュア2勝からツアーフル参戦1年目で2勝を達成し、圧倒的なパフォーマンスを見せている。

日々のトレーニングを重ね、体重を落としつつ筋力をつける取り組みを続けており、強靭な体を目指している。

大会に向けての意気込みや目標を高く掲げ、精神的な強さと競技力を併せ持つ蝉川選手は、今週も優勝争いを続けている。

「そんな振ってるつもりないんですけど…」 蝉川泰果のフルスイングを支える連夜のジム通い

◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 2日目(12日)◇ザ・ノースカントリーGC(北海道)◇7178yd(パー72)

国内ツアー史上初のアマチュア2勝を達成した2022年より、ツアーフル参戦1年目で2勝した2023年より、2024年の蝉川泰果は凄みを増した。ギャラリーのため息を誘うドライバーショット、見る者を圧倒するフルスイング。初日のドライビングディスタンスは318.87ydで3位。この日最終18番(パー5)は右アゲンスト、264ydの第2打を3Wで“OK”の右バンカーに運び、バーディで締めた。

躍動感を増すスイングに「そうですか? 今週はそんな振ってる感じはないんですけど」と首を傾げ「コースが(フラットで目標物が少なく)ターゲットをつかみにくくて、難しいんです」と“振ってない理由”を説明した。

周囲が思うほど自覚がないのは、日々の積み重ねのせいかもしれない。日本タイトル3冠を1打差で逃した前週「日本プロ」では、週7日のうち6日、夜にジムへ足を運んだ。24時間営業ジムの会員カードを2つ持ち、前日11日夜もホテルから約15km離れたジムに出かけ、約40分間、体をいじめた。

「今季は開幕前のオフから強度を上げたメニューに取り組んできました。シーズン中は日によって下半身、上半身とか部位を決めて、そこを集中的に。昨日は腕でした」。当たり前のことのように笑って見せる。

実は現在、体重が落ちている。開幕前に最大82kgあった体は、シーズンも深まって77kg。「やせてるんです。でも、このへんはやっぱり分厚くなったかな」。肩から広背筋に至るラインをうれしそうにさすって説明する。

昨年7月「全英オープン」の際、朝のジムでアップするロリー・マキロイ(北アイルランド)を見た。バランスの取れた分厚い体。理想を言えば、ああなりたい。それが強いゴルファーの体だと思っている。

激闘の「日本プロ」最終日から5日。「きょうのスタート前が正直、一番疲れが来た感じでした。体の芯がダルいというか。実際、アイアンの距離も若干落ち気味でした」。それでも「69」で3つ伸ばし、通算7アンダーで折り返した。「トップは(大槻智春の)12アンダーですか。…僕はあと2日で20アンダーの大台を目指します」。たくましく今週も優勝争いだ。(北海道千歳市/蝉川泰果)