岩佐歩夢、F1デビューに向けてまずは昨年のローソンを超えること「今は目の前のスーパーフォーミュラに集中しています」

AI要約

スーパーフォーミュラ参戦中の岩佐歩夢は、F1昇格は難しいが今季はチャンピオンを目指す。

岩佐はF1参戦を目指し、現在2位につけるが簡単ではない状況。

岩佐はスーパーフォーミュラでの活躍を重視し、F1デビューに向けて努力中。

岩佐歩夢、F1デビューに向けてまずは昨年のローソンを超えること「今は目の前のスーパーフォーミュラに集中しています」

 スーパーフォーミュラにTEAM MUGENから参戦中の岩佐歩夢は、来季F1昇格を果たすのは難しい状況になりつつあるものの、その目標にたどり着くために、今季チャンピオンを目指すと、改めて語った。

 昨年はFIA F2でランキング3位となり、スーパーライセンスの発給条件を満たした岩佐。今季はレッドブル・グループのF1チームのシミュレータ作業を行ないつつ、スーパーフォーミュラに参戦。鈴鹿での開幕戦こそ9位に終わったが、続くオートポリスとSUGOの2戦はいずれも2位。現時点でチームメイトの野尻智紀に次ぐランキング2番手につけている。また、今年のF1日本GPのFP1では、RBのマシンを走らせてF1公式セッションデビューも果たした。

 その岩佐は、当然F1参戦を目指している。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、時折岩佐の名前を挙げるなど、彼のスーパーフォーミュラでの闘いぶりに注目している。

 ただ客観的に見ても、岩佐が来季のF1シートを手にするのは簡単ではない状況である。レッドブル・レーシングは、マックス・フェルスタッペンおよびセルジオ・ペレスとの契約を結んでいるし、RBも角田裕毅を引き続き起用することを決定。残るシートはRBのひとつのみという状況である。不振が続くペレスが更迭されるのではという噂もあるが、それでもリアム・ローソンが控えているし、ダニエル・リカルドも調子を取り戻しつつある。F2ではアイザック・ハジャーがランキング首位につけている。

「確かにレッドブルは、スーパーフォーミュラでの僕のレースを見てくれています。そして、以前のレッドブルのジュニアドライバーを比較しています」

 岩佐は来季F1デビューの見通しについてそう語った。

「しかし、F1シートを手にするのは、まだ難しい状況です。僕の前にはリアムとダニエルがいます。正直に言って、レッドブルは今のところ、僕には多くを語ってくれていません」

 そんな岩佐だが、今はスーパーフォーミュラで結果を残すことに集中している。前出のマルコ博士も、岩佐がF1のシートを掴むためには「スーパーフォーミュラで勝つこと」が重要だと語っていた。岩佐もそれを十分認識しており、昨年の段階から今年の目標は「スーパーフォーミュラでチャンピオンを獲得すること」だと明言していた。

 これについて改めて尋ねると、岩佐は次のように語った。

「僕が今すべきことは明らかです」

「シミュレータでの作業と、スーパーフォーミュラです。F1については、あまり話し合っていません」

「来年F1デビューするのは、簡単ではないようです。でも、何が起きるかはわかりませんけどね」

「とにかく、僕は目の前で起きていることに集中しています」

 なおペレスがシーズン途中でチームを追われた場合の後任有力候補のひとりと言われているのがローソンだ。ローソンは昨年、岩佐と同じTEAM MUGENのドライバーとしてスーパーフォーミュラに参戦し、印象的な活躍を見せた。それにより、怪我をしたリカルドの代役でF1デビューを果たすというビッグチャンスを掴んだ。

 つまり岩佐としては、昨年のローソン以上の活躍をスーパーフォーミュラで見せることが、将来のチャンスを掴む足掛かりとなるはずだ。

 先日は富士スピードウェイで公式テストが行なわれたが、その初日を終えて岩佐は次のように語った。

「最初から、このマシンでリアムと同等のパフォーマンスを発揮することが目標でした」

「セットアップに関しては、初日はリアムのマシンにかなり近かったんです。でも、共通ダンパーではそれほど良くありませんでした」

「ダンパーに合わせて、新しいセットアップを作らなければいけませんでした。でも、それはうまくいったと思いますし、午前中から午後にかけて、一歩前進することができました。それがキーポイントでした」