海外ラウンドへの意欲を語るスーパーフォーミュラ。早ければ来シーズン中にもアジアでのレース開催が実現か

AI要約

スーパーフォーミュラが、海外でのレース開催を検討しており、来シーズンにも実現の可能性があることが判明。

外国人ドライバーの減少により海外からの関心が懸念されている中、シリーズの魅力を高める施策が求められている。

JRPの上野社長は、海外ドライバーに魅力を感じさせるために、レース数増加や海外大会の開催を検討している。

海外ラウンドへの意欲を語るスーパーフォーミュラ。早ければ来シーズン中にもアジアでのレース開催が実現か

 スーパーフォーミュラが、早ければ2025年シーズンに海外でのレースを開催する可能性があることが、motorsport.comの調べで分かった。

 スーパーフォーミュラは近年、『NEXT50(ネクストゴー)』プロジェクトの名の下に、シリーズの価値を高めるための施策を数多く実施、模索してきた。ただ、そんな中でひとつ懸念されているのが、外国人ドライバーが減少したことにより海外からの関心が薄まってしまうのではないかという点だ。

 5年前の2019年シーズンには実に9人もの外国人ドライバーが出走し、後のインディカー王者であるアレックス・パロウや、フォーミュラEの現ポイントリーダーであるニック・キャシディなど、世界の最前線で戦うドライバーを輩出してきたスーパーフォーミュラ。しかしコロナ禍の影響でその数は減少。昨年はリアム・ローソン、ジュリアーノ・アレジ、ラウル・ハイマン、ジェム・ブリュックバシェの4名が参戦したが、今年はテオ・プルシェールの1名のみで開幕を迎えた。

 そのプルシェールも、開幕戦の後にインディカー挑戦のためチームを離脱。その代役として第2戦はベン・バーニコートが起用されたが、第3戦以降は異例の“全員日本人ドライバー”という状況だ。

 そんな状況下で、海外からの注目を集めるためにどのような点を重視しているのか? シリーズのプロモーターである日本レースプロモーション(JRP)の上野禎久社長は、富士公式テストで行なわれた会見で次のように述べた。

「ドライバーに関してはあくまでチームマターであり、我々の方が直接的にこのチームにこのドライバーを起用する、と言ったことはありません。我々としては、そういった海外のドライバーにシリーズの魅力を感じていただけるような環境を作ることが大事だと思います」

「そういった意味では、レース数を増やすことはとても大きな課題だと思います。F2にしてもインディライツにしてもレースマイレージが多いですからね。そこは海外のドライバーが1年間日本でレースを戦う上で、重要なファクターになっていることは認識していますので、オーガナイザー等と調整していければと思います」

「あとは海外大会ですよね。海外大会の開催を今後進めていきたいなという思いはありますが、まだ具体的にご案内できる内容はございません」

 このように、海外ドライバーにとって魅力となるような開催レース数の増加、そして海外からの関心を高めるための海外レース開催の2点を野望として挙げた上野社長。来季の開催カレンダーは8月ごろに発表予定とされているが、これについてJRPの近藤真彦会長は「楽しいカレンダーです(笑)。本気でワクワクするようなスケジュールを組んでいます」と話しており、その真意が注目されていた。

 motorsport.comの取材によると、海外大会は早ければ来シーズンにも実現する可能性がある模様。ただ海外レースとなると、輸送面や全体的なコスト面など、国内開催以上に複雑で多岐に渡る調整が必要なことは想像に難くない。現在も慎重な交渉が行なわれているものと見られる。そのため、海外開催がまだ確定事項でないことは間違いなさそうだ。

 また、海外ラウンドが開催される場合どの国でレースをするのかも気になるところ。JRPがアジア地域でのレース開催を目指している旨は既に公言されているが、現在JRPはそれぞれの交渉の進捗に差はあれど、複数の国と話をしていると言われている。ただパドックでの噂レベルでは、開催地は韓国になるのではないかという話も聞こえてきている。

 スーパーフォーミュラの海外ラウンドが実現すれば、フォーミュラ・ニッポン時代の2004年にマレーシアのセパンサーキットで開催されて以来となる。また、かつては韓国のインジェでの開催が目指されていたが、実現には至っていない。