三田・平野慎一 敗戦の中でもエースのたたずまい「僕がダメになったら終わりなので」/東東京

AI要約
三田高校野球部のエース平野投手が春に5回コールドで敗れた相手に対し、夏は8回まで食らいつくも7-0で敗れる。平野投手はチームメイトへのサポートも欠かさず、エースとしての責任感を示す。少人数のチームだが、仲の良さが強みとなり、チームの解散に寂しさを感じる。
三田・平野慎一 敗戦の中でもエースのたたずまい「僕がダメになったら終わりなので」/東東京

<高校野球東東京大会:目白研心7-0三田(8回コールド)>◇10日◇2回戦◇駒沢球場

 「9回までやりやかったですね」。三田のエース左腕・平野慎一投手(3年)は唇をかんだ。ただ、春の東京大会1次予選で対戦した時には5回コールドで敗れた相手に対し、夏は8回まで食らいついた。「個人もチームもお互い(実力が)上がったのかな」と振り返った。

 「僕がダメになったら終わりなので」。仲間がミスをしても嫌な顔一つ見せないどころか、ミスをした選手にマウンド上から声をかける。その姿はまさにエースのたたずまいそのものだった。父智寿さん(58)も「野球を始めた頃は仲間にミスが出たら当たるようなところもあったんですけど。大人になったな」と成長を実感した。

 選手は10人と少なく、できる練習も限られていたが「みんなで一緒にいる時こそ楽しく」。仲の良さが、このチームの取りえだった。だからこそ「終わってしまうのが悲しい」と正直な思いを明かす。

 だが、悲しんでばかりもいられない。今後は大学に進学するために勉強に励む予定。「今は第1志望合格のために、がむしゃらにやるだけかな」。3年間野球に打ち込んできた経験を生かして、前に進む。【水谷京裕】